日本の教育をめぐる様々な課題について討論する連続シンポジウム「転機の教育」(朝日新聞社主催)が9月26日、東京の有楽町朝日ホールであった。3回目の今回は「大学改革−危機を抜け出せるか」がテーマ。山崎正和・東亜大学長、生駒俊明・東大名誉教授がそれぞれ大学教育、産学連携のあり方を中心に提言。これを受けて国立学校財務センターの天野郁夫教授、一橋大の石弘光学長、立命館の川本八郎理事長、法政大の清成忠男総長が意見を交わした。コーディネーターは山岸駿介・元朝日新聞編集委員が務めた。
| パネリスト |
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山崎 正和(やまざき・まさかず)
劇作家、評論家、東亜大学学長、大阪大学名誉教授
京都大学文学部卒、同大学院修了。文学博士。2000年から学長。文部科学省中央教育審議会で、大学の教養教育や多様化について活発に発言を続けている。また、演劇から文明、歴史、思想など幅広い分野での積極的な活動・提言でも知られる。著作は、評論では「柔らかい個人主義の誕生」「劇的な日本人」など、戯曲では「世阿弥」「オイディプス昇天」など、多数。岸田戯曲賞、毎日出版文化賞、吉野作造賞など受賞。69歳。
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生駒 俊明(いこま・としあき)
日立金属取締役、東京大学名誉教授、元日本テキサス・インスツルメンツ会長
東京大学工学部卒、同大学院修了。工学博士。1994年、東大教授から日本テキサス・インスツルメンツに招かれ、話題となった。同社社長を経て、2002年まで会長。大学改革、産学連携に関して積極的に発言、02年2月、「大学システムの改革」を提言し、反響を呼んだ。現在、科学技術振興事業団研究開発戦略センター上席フェローなどのほか、中央教育審議会臨時委員など政府関係の委員を多数務める。62歳。
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天野 郁夫(あまの・いくお)
国立学校財務センター教授兼研究部長、東京大学名誉教授
一橋大学卒ののち、東京大学教育学部卒、同大学院修了。教育学博士。1984年に東大教授、94年に同教育学部長。2000年から現職。日本学術会議会員。専門は教育社会学で、教育制度・教育政策・高等教育の各分野にわたり研究の幅は広い。また学歴主義、試験制度の研究などでも新分野を拓いた。日本教育社会学会や日本高等教育学会の会長も務めた。著書は、サントリー学芸賞を受賞した「試験の社会史」など多数。67歳。 |
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石 弘光(いし・ひろみつ)
一橋大学学長
一橋大学経済学部卒、同大学院修了。経済学博士。同大学教授、経済学部長を経て、1998年から学長。独立法人化を大学改革の好機と主張する。2001年から国立大学協会副会長。中央教育審議会特別委員、政府税制調査会会長なども務める。著書「財政構造の安定効果」でエコノミスト賞を受賞したほか、日経経済図書文化賞、サントリー学芸賞を受賞。その他の著書に「大学はどこへ行く」など。66歳。
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川本 八郎(かわもと・はちろう)
学校法人立命館理事長
立命館大学法学部卒。学校法人立命館に就職し、学生課長、総務部長、専務理事などを経て、1995年から現職。事務職員出身の理事長として注目された。理工学部を改組して、滋賀県の「びわこ・くさつキャンパス」に展開、大分県別府市に立命館アジア太平洋大学を開学するなど、「大学改革のフロントランナー」と呼ばれる立命館学園の牽引役。文部科学省の学校法人運営調査委員、財団法人大学コンソーシアム京都の大学政策委員も。68歳。
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清成 忠男(きよなり・ただお))
法政大学総長兼理事長
東京大学経済学部卒。法政大学経営学部教授、同学部長を経て、1996年から現職。総長就任以来、キャリアデザイン学部を新設、経営学部経営戦略学科、市場経営学科などの新学科を創設、アメリカに研究所を設置するなど、斬新な改革で注目されている。日本私立大学連盟副会長、財団法人大学基準協会会長も務める。専攻は産業論で、97年には新しい産業を創出するため、日本ベンチャー学会を設立し、初代会長となった。70歳。
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| コーディネーター |
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山岸 駿介(やまぎし・しゅんすけ)
教育ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員
新潟大学人文学部卒。1970年、朝日新聞入社。川崎支局長などののち、編集委員(教育担当)。約20年にわたり、長期連載「いま学校で」など教育関係記事の企画・取材を続けた。現在、多摩大学経営情報学部客員教授。早稲田大学文学部などの外部評価委員会委員も務める。著書に「大学改革の現場へ」「学校解体新書」など。67歳。
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【開会あいさつ】
司会 皆さま、こんにちは。大変お待たせいたしました。
ただいまより、朝日新聞社が主催いたします連続シンポジウム「転機の教育」第3回「大学改革――危機を抜け出せるか」を開会いたします。
私、本日のアナウンスを担当させていただきます糸永直美と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
それでは、主催者を代表いたしまして朝日新聞社代表取締役専務の君和田正夫が開会のごあいさつを申し上げます。
君和田 ご紹介いただきました朝日新聞の君和田でございます。きょうは大変お忙しい中、しかもウイークデーにこのようにたくさんの方にお集まりいただきましたことを、心から感謝申し上げたいと思います。
私たちは、現在の日本の政治・経済・社会といいますか、すべての大きな揺らぎを見せているその根底に、やはり教育問題があるのであろうという位置づけで、このところ教育問題に真正面から取り組んでまいりました。
朝日新聞をお読みいただいておられる方はご承知かと思いますが、日々の紙面、連載、そうしたものを通して、日本の教育はいかにあるべきかということを問い続けてまいりました。そして、そうした紙面とは別に、今回のようなシンポジウムという形で、いろいろなパネリストの皆さまの生のご意見をお聞きする機会もつくってまいりました。
今回、今年に入りまして3回目で、これまで教育改革全般あるいは初等中等教育といったものに焦点を当てたシンポジウムを開いてまいりましたけれども、3回目は大学改革ということで、6人の方々においでいただいて貴重なご意見を伺いたいと考えました。
きょうお話しいただきますのは、皆さまよくご存じの山崎正和先生、それから生駒俊明先生、このお二方から先ず提言をいただきたいと思っております。
続きまして、パネルディスカッションに入りまして、天野郁夫・国立学校財務センター教授、天野さんは大学問題の専門家として知られた方でいらっしゃいます。それから、一橋大学学長の石弘光先生、立命館大学の理事長をなさっておられます川本八郎先生、法政大学総長兼理事長の清成忠男先生、以上の方に、大学改革についてご議論をいただきたいと思っております。
コーディネーターは、朝日新聞で長い間教育を担当し、現在教育ジャーナリストをしておられます山岸駿介さんにお願いしてございます。
きょうのシンポジウムの中身につきましては、10月6日付の朝日新聞朝刊に掲載させていただく予定であります。また、さらにほぼ全容に近い形の詳報を、インターネット上の「アサヒ・コム」で採録させていただきたいと思いますので、きょうは大変面白い話、あるいは重要なお話が多々あるかと思いますけれども、そうした新聞、Web上で再度ご確認いただけたら、主催者として大変ありがたいことだと思っております。
これから、長時間にわたるシンポジウムになりますが、どうぞ皆さま、最後までごゆっくりお聞きいただけたらと思います。
どうもありがとうございました。(拍手)