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ケータイするアメリカ:4
『サンノゼ・マーキュリー・ニューズ』コラムニスト、ダン・ギルモア氏に聞く
「携帯の普及はジャーナリズムを変えるかもしれない」
asahi.com編集部 伊藤 恭子(サンノゼ)

「サンノゼ・マーキュリー・ニューズ」コラムニスト、ダン・ギルモア氏

 日本では珍しくもなくなった携帯電話のカメラやゲームだが、米国ではどのように受け止められているのか。ケータイ先進国の日本やフィンランドなども取材し、アサヒコムでもコラムを連載中のシリコンバレーを代表するコラムニスト、「サンノゼ・マーキュリー・ニューズ」のダン・ギルモア氏に聞いた。

◇      ◇

 ――カメラ付き携帯を買う予定、とコラムに書いていますね。

 日本などを訪れた際に、カメラ付き携帯を使う姿を見て、「これはいろいろ使えて便利そうだ」と欲しくなったんだが、実はまだ買っていない。ソニー・エリクソンのP800という、通話、カメラ、情報機能と、今のところ私が使いたい機能を網羅している機種を狙っていた。ただ、迷っている間に、さらに最新の機種が出るという情報を聞いてしまってね。だったらそれを待とうかと。

 ――カメラ付き携帯でまず何を?

 まずはどんな使い方ができるのか試してみたい。携帯でスナップショットを撮り、それをすぐに配信できる。これは、ジャーナリズムを変えていくかもしれない。

 例えば、何か事件が起こった場合、カメラ付き携帯を持っただれでもが、大手の報道機関よりも早く、ことによると報道機関が撮れない映像を、すぐさま配信することができるということだ。日本でも最近、読者が事故などの現場の様子をカメラ付き携帯でメディアに投稿していると聞く。同じことは、米国でもありうる。まだ高画質の端末はないけれど、「その瞬間」をとらえるスナップショットとしては利用できる。

 これはジャーナリズムにとって、重要な変化だ。そういう変化に備える必要がある。

 自分のウェブログ(weblog、日記形式のウェブ掲示板)に、携帯端末からも情報配信するモブログ(moblog)も試してみたい。まだ、技術的にどうすればいいのかよくわからないけれど。

 ――今は、携帯をどんな風に使っていますか。

 スケジュールや電話をしなきゃならない人のリストなど、パソコンに入れてあるデータを共有して、チェック用に使っている。ショート・メールも時には使うが、どうもうまく使えなくて、好きじゃない。入力に時間がかかりすぎてしまう。

 ――米国の携帯サービスの普及は、日本よりも遅れていると言われています。

 一番の理由は、携帯のデータ通信は、相対的に見てまだ第2世代(2G)が主流で、しかも様々な規格が混在している点。また、料金も高い。米国のユーザーは、市内電話の一律料金に慣れているから、携帯の通話料の他に従量制のデータ通信料、という複雑な料金体系は嫌う。普及させるためには料金やシステムの標準化を考えなければ。

 ――日本での携帯の普及を、どう見ていますか。

 すでに、コミュニケーション方法の一つとして確立している、と感じた。3、4年前に日本へ行った時、東京の地下鉄で10代の女の子が携帯を黙々といじっている姿を見たが、今は、すべての世代がいたるところで使っている。

 ――米国でもカメラ付き携帯などの宣伝をよく目にするようになりました。

 携帯といえば音声通話、と考えている米国のユーザーに、カルチャーとしての新しい携帯の使い方を普及させようとしているのだろう。だが実際には、ゲームだカメラだといった使い方をするには、もっと時間がかかる。

 米国のユーザーは、小さな端末からどんな情報が収集できるのか、まだイメージできないんだ。この10年近く、パソコンでインターネットに接続し、大きな画面から情報収集をしてきたんだから。これは慣れの問題だ。

 ――将来、米国でも日本のように携帯サービスが普及しますか。

 私はむしろ、高速無線インターネットのWi−Fiに注目している。第3世代(3G)携帯にも影響を及ぼすんじゃないか。潜在的には、携帯よりもWi−Fi市場の方が大きいと思う。だれかが私の携帯を、Wi−Fi機能とインターネット通話のVoIP、さらに世界中で通信可能な周波数が使える「Wi−Fi」フォンにしてくれたら、間違いなくそれを使う。

 ホットスポットではVoIPとして無料通話ができるし、端末も複数持たずに国内外いつでもどこでも同じ携帯電話番号でコミュニケーションができる。Wi−Fiには、モバイル市場にとって代わる大きなチャンスがあると思う。

(03/09/10)




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