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ケータイするアメリカ:3
《コンテンツ》「売れるサービスは?――手探りの戦略」
asahi.com編集部 伊藤 恭子(サンノゼ)

ハンドタップ社CEOのファブリース・フローリン氏。手に持つ携帯電話はカメラ付きの「Nokia3650」

 インターネット接続で画像送信などもできる2.5世代(2.5G)携帯が少しずつ広がり始めた米国。ゲームや着信メロディーなどを配信するコンテンツ・プロバイダーは、市場拡大の起爆剤となる「キラーコンテンツ」獲得に向け、手探りを続けている。

◇      ◇

 「最近になって、携帯コンテンツの利用者が急速に増えている」。サンフランシスコ近郊でオンラインのキャラクター配信を行うベンチャー、ハンドタップ社最高経営責任者(CEO)のファブリース・フローリン氏は言う。

 同社の売り上げの主流は、パソコンや携帯情報端末(PDA)向けのゲームやアニメーション・キャラクターのダウンロードサービス。だが、各携帯キャリアがインターネット接続サービスを始めたのを受け、昨年春から携帯向け待ち受け画像の配信を開始。その比重が急増している。

 キャラクターを使った待ち受け画像のほか、着信メロディーに連動してキャラクターが動くアニメ、アニメの携帯メール添付サービスなど、これまでに約500タイトルのコンテンツを提供してきた。

 「米国は今、ユーザーが多機能携帯を試し始めている時期。カメラ付き携帯を持って、『これは何だ? どう使うんだ?』と。使い方に慣れれば、サービスは一気に普及する」と話す。

 先行する日本の携帯コンテンツ・ビジネスも研究した。「ただ、日本と米国では文化も感性も違う。日本のモデルをそのまま持ち込んで成功するとも思えない」

 米国のユーザーに受け入れられる「キラーコンテンツ」を模索中だ。「インターネットが普及する米国では、パソコンで、手軽にメッセージのやり取りができる『インスタント・メッセンジャー』がかなり一般的に使われている。携帯でも、メッセージ機能に映像や音声を組み合わせたサービスがカギになる」と見ている。

 日本ではすでにサービスが始まっている第3世代(3G)携帯だが、米国ではなお足取りは重い。「まずは2Gと2.5G向け配信で手いっぱい。さらに高速になって、どんなサービスを提供すればいいか、想像もできない」(フローリン氏)。

◇      ◇

 「米国の家庭用ゲームのトップ20ゲームのうち、常に五つは日本発のゲームが入っている。モバイルに関してもタイトル次第では日本のゲームは世界に通用すると思う」。携帯ゲームの米国展開を狙うコナミモバイル・オンライン(東京)の吉野真理子社長は、米国を中国に次ぐ巨大市場と位置付ける。

 ただ、課題も多い。国土が広く、キャリアや端末メーカーが多数混在するだけに、「市場がまだ。対応端末もまだ。インフラも地域によってキャリアの対応がまちまち」。結局、ユーザー数が増えない、コンテンツ・プロバイダーも本格展開には踏み切れない、という悪循環が続いてきた。キャリア、端末メーカー、コンテンツ・プロバイダー間での連携が薄かったこともあり、「楽しいコンテンツを提供する土壌がなかった」と吉野社長は見る。

 だが、「米国の携帯コンテンツ市場はまさに立ち上がろうとしている最中。ブランド力と日本市場でのノウハウから、まずは家庭用ゲーム機になじんでいる世代を、『携帯で遊ぶゲーム』の世界にも引き込んでいきたい」と話す。

 ハドソン(本社・札幌市)は、7月末から米国市場で「mMode」向けにゲーム配信を始めた。「既に100種類以上にもおよぶハドソンの携帯電話向けゲームは、米国でも受け入れられるはず、と以前から考えていた」と海外担当プロデューサー、池田春彦氏。「ただこれまでは、対応する端末があまりなかった」

 対応端末の出荷を受けてサービス開始。「携帯でゲームを遊ぶ、ということに、米国のユーザーはまだ慣れていない。端末自体の価格が高価なこともあり、現在は20歳代後半から30歳のビジネスパーソンがターゲット」。同社も、日本市場で蓄積したコンテンツ、ノウハウを展開していく考えだ。

◇      ◇

 米国では携帯コンテンツビジネスがなかなか普及しない、と言われてきた。「それは、面白いコンテンツがないから」と言い切るのは、ボストン近郊にあるウェイブUSA社の近藤五百子社長だ。

 日本人留学生や駐在員を対象に、米国の携帯でも日本語でメールのやりとりができるサービス「J.WAPPY(ジェイ・ワッピー)」を提供。数千人規模のユーザーがいる。

 今は米国市場向けのサービスを展開するより、「昨日まで日本で携帯を利用していた日本人向けに提供する方が、反応がいい」。キャリアの公式メニューには載らない、いわゆる「勝手サイト」として一昨年6月にサービスを開始した。

 ただ、このサービスもあくまですき間コンテンツと割り切っている。

 「もちろんより規模の大きい米国市場向けにサービスを提供したいが、今の状況はかなりハードルが高い」

 最近になって、ようやく各キャリアが新規ビジネスに本腰を入れ始めた、と感じる。国土の広さを逆に生かし、エリア限定のリアルタイム情報を提供するなど、米国ならではのコンテンツ・ビジネスの可能性もあるはず、とも考えている。

(03/09/03)




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