総務省は未開拓の周波数帯、テラヘルツ波を利用するための技術調査を4月5日に始める。実用化すれば毎秒10ギガビット超の超高速無線や、分光機能による生体個人認証システム、医療・環境分野での高度分析技術などに応用できる。調査委託するテレコム先端技術研究支援センターに「テラヘルツテクノロジー動向調査委員会」を設置、04年中に報告書をまとめる。これをもとに研究開発(R&D)や実用化へのロードマップを策定する。
テラヘルツ波は、おおむね周波数100ギガ―100テ ラヘルツ(テラは10の12乗)の電磁波。この周波数帯は電波と光の境界領域に当たる。欧米ではテラヘルツ波利用拡大に向けた国家プロジェクトがスタートしており、総務省もR&Dに乗り出す。
極短光パルスの分光機能を使った分析装置、超高速光信号処理による次世代通信や電子部品の開発が可能。通信、宇宙、環境、分析、セキュリティー(安全管理)など幅広い分野に応用できる。
新たに設置するテラヘルツテクノロジー動向調査委員会は斗内正吉大阪大教授を委員長に、大学、NTT、島津製作所などの研究者ら18人で構成。技術と将来展望を調査する各委員会で検討を進める。現在の技術水準やR&Dの課題、利活用分野、実用化の市場規模について調査し、実用化へのロードマップ(工程表)を立案する。
テラヘルツ波は発生・検出が難しいため、現在は研究用分光機や電波天文観測などの特殊な用途に限って使っている。ただ、レーザーや半導体技術の進歩により、室温でもテラヘルツ信号の利用が可能になってきた。
総務省は毎秒100メガビットの光ファイバー通信の100倍という超高速無線や、持ち物から化学物質やウイルスを簡単に識別するシステム、微細な生体特徴を見分ける個人認証システムなどの開発に応用する。
(03/25)
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