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ロング・ナウ協会代表、スチュアート・ブランド氏に聞く
(下)「情報は、なお自由を求めている」

asahi.com編集部 平 和博(サンノゼ)

 「『ホール・アース・カタログ』は、インターネットだ」と話すブランド氏=サンフランシスコ・プレシディオのロング・ナウ協会で

●「ホール・アース・カタログ」とインターネット

 ――ブランドさんは、マルチメディア・イベントの先駆けとも言われる「トリップス・フェスティバル」(66年)などサイケデリック・ムーブメントの旗手として、また「ホール・アース・カタログ」(68年−71年、全米図書協会賞)発行といったカウンター・カルチャーを象徴する存在として、さらには「メディアラボ」(87年)などの著作によるデジタル革命についての取り組みでも知られています。

 「当時、私が関わったいくつかの出来事は、社会、文化の領域での新たな、おそらくは重要な価値の創造と結びついている。我々が(当時は合法だった)サイケデリック・ドラッグを使い始めた60年代初頭、それは確かに全く新しい体験だった。一方では同じ頃、(マサチューセッツ工科大〈MIT〉で開発された)スペースウォーのようなゲームに見られるコンピューター利用が広まっていった。私はその両方の流れに関わっていた。コンピューターの加速度的な発展は、当時も重要な意味を持っていたが、さらにも増して重要になっていき、驚くほどの広がりを見せた。コンピューター利用、コンピューター・デザインの先駆者たち、ハッカーやもちろん普通のエンジニアも、その後も延々と活躍の場を広げていった」

 「サイケデリック・ドラッグも、重要ではあった。ただサイケデリック・ドラッグの先駆者たちは、その後に続く大きなムーブメントにはならなかった。ドラッグそのものが排除されていった、ということもある。なおドラッグを使い続けるにしても、もうそれが未来への、別のどこかへの扉というわけではなかった」

 ――カウンター・カルチャーのスタイルを、「商品」の紹介と購入方法の提供という形でまとめた「ホール・アース・カタログ」を、今の若い世代に説明するとしたら?

 「インターネットだ。インターネットがなかったから、本にした。グーグルとアマゾンとイーベイを組み合わせたようなものだ。そして、新たなパワーを与えてくれるツールに関心を持つ人々の、ある種のコミュニティーにもなった。そんな本だ」

 ――デジタル革命の最前線にい続けたブランドさんから見て、現在のインターネット、コンピューターの普及はどう映りますか。

 「『情報は自由〈タダ〉を求める(Information Wants to Be Free)』と言ったのが1984年。それからちょうど20年になるが、今もなお、この考え方は有効だと思っている」

 「デジタル革命はなお進行中で、次々にいろんな使い方を見つけ出してくる。ウェブログとかね。新しい事象を取り上げては、それに名前をつけて。日本のスクールガールが、新しい電子メディアのスタイルの最先端だと注目したり。この流れが止まる気配は見当たらない。インターネットや携帯電話などと競合するようなコミュニケーション・ツールは、今のところなさそうだ。テレパシーによる意思疎通は、すぐには無理だろうし(笑)。今のような形のコンピューター・コミュニケーションの技術が登場してから約50年。この流れは、あと30年ぐらいは続くんじゃないか」

●複雑化する著作権問題

「動いてはいないけれど、これも『時計』の試作品の一つだ」=サンフランシスコ・プレシディオのロング・ナウ協会で

 ――早くからデジタル著作権問題の複雑さを指摘していますが、現状はさらに混迷が深まっていませんか。

 「ゼロックスがコピー機を登場させた時、多くの企業がこれを阻止しようとした。パーソナル・コンピューター用のソフトウェアが登場した時も、コピー阻止を図る動きがあった。そしてどちらの場合も、コピー阻止を狙った側が、多くの金をつぎ込み、それで何人かの弁護士がたんまり稼ぎ、そして結局は敗れた。だがこの数年、著作物のフェアユース(公正利用)が狭められていき、著作権を巡る議論はますます複雑になっている。利害関係を持つ企業も、コピー機の時に比べればはるかに多い。テクノロジーを使いたいと考える人々は、いくらコントロールをかけても迂回(うかい)し続けるだろう。インターネットには監視を逃れる術がある。コントロールを狙う側は、またそれを追う。その繰り返しだ。ただ、著作権のある部分は、本当に行き過ぎだ。あなたの書いたものが、(米国では個人の著作の場合)死後70年もの間保護されるなんて。イカレてる。こんなことは、そう続かない。裁判所が止める、というまで、何人もの人間が刑務所に入るのかね」

 「(著作権の制度は)一定期間の専有は認めるが、その後は公有財産とする、という社会契約だ。これからもこの制度は何度も見直されていくだろう。だが、ひとつひとつの権利について、当事者が納得いくような形で合意を重ねていけば、いずれは事態は落ち着くのではないか。ゼロックスのコピーも、今ではあまり声を大にして文句は言わないだろう。ゼロックスで本をまるごとコピーするより、アマゾンで買う方が安いし。ナップスター現象に対応するものとしてiTunesのサービスも出てきた。99セントで簡単に音楽ダウンロード、実際にはもっと安くなるべきかもしれないけど。一つの解だろう」

 ――あなたは、コンサルティング・ファーム「グローバル・ビジネス・ネットワーク(GBN)」の共同設立者でもあります。

 「フルタイムではなく、4分の1程度の時間をここの仕事にあてている。主に、やはり共同設立者で会長でもある(シナリオ・プランニングで知られる)ピーター・シュワルツのプロジェクトを手伝う、といった感じだ。例えばDARPA(米国防総省・国防高等研究計画局)のプロジェクトの一つとして、未来の量子コンピューティングに関する調査に関わっている」

 ――もっともぴったりする今の肩書きは何ですか?

 「編集者。あるいは興行主(impresario)。つまりはイベントの編集者というところだ」










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