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 不祥事を起こした投資家Jeffrey Epstein氏からMITメディアラボが資金を受け取っていた事実が明るみになったことを受けて、同ラボの研究者2人がこの件に抗議して辞任を表明した。MITメディアラボは最近になってEpstein氏に絡むスキャンダルに揺れており、今回の辞任はその最新の展開と言える。Epstein氏は性的搾取を目的とする人身売買の容疑で起訴されていたが、米国時間8月10日に勾留中の留置所で自殺した。

 MITシビックメディアセンターの所長で、メディアラボの准教授でもあるEthan Zuckerman氏は20日、Boston Globe紙に対しEpstein氏とメディアラボのつながりを問題視し、同ラボを離れると表明した。Globe紙によれば、Zuckerman氏はメディアラボによる「Disobedience Award」(不服従賞)の主催者の1人でもあった。この賞は社会の不正に抗議する人やグループを称え、1年に1度贈られるものだ。

 Zuckerman氏は、辞任という決断に至った理由をブログでこうつづっている。「私のグループの取り組みは社会正義をテーマとしており、社会の周縁に追いやられた個人や意見を受け入れることに重点を置いている。Epstein氏と手を組み、さらにその関係を隠蔽したことは、ラボが掲げる価値観に背く行為であり、このような場所で平然と働き続けるのは難しい」

 さらに21日には、同ラボの客員教授を務めるJ. Nathan Matias氏もメディアラボの職を辞すると発表した。Matias氏はMediumへの投稿で、自身のプロジェクトであるCivilServantは、ネット上のいじめや嫌がらせから人々を守る活動であり、「メディアラボがEpstein氏と持っていたような関係」がある場所では続けられないと述べ、「簡単な話だ」と結論づけた。

 メディアラボは、人間の機能を模した未来的なロボットからインターネットでの社会実験に至る、さまざまな研究で知られている。しかし最近はメディアラボ創立者のMarvin Minsky氏、および現在所長を務める伊藤穣一氏とEpstein氏との関係をめぐる疑惑の渦中にある。

 伊藤氏は15日付の公開書簡で、Epstein氏から金銭を受け取ったことを認めて謝罪した。具体的には、メディアラボおよび伊藤氏の個人的な新興IT企業向け投資ファンドが、Epstein氏からの資金援助を受けていたという。伊藤氏はさらに、Epstein氏をメディアラボに招いたことや、自身が同氏の住居を訪れていたことも認めた。伊藤氏によると、同氏がEpstein氏に出会ったのは2013年だという。これはEpstein氏が売春目的での未成年者の「勧誘やあっせん」の罪を認めてから数年後のことだ。

 また、人工知能(AI)分野の草分け的存在でメディアラボの創設者だったMIT教授のMinsky氏に関しても、新たな疑惑が浮上している。8月に入って公開された宣誓供述書に、Minsky氏が米領バージン諸島にあるEpstein氏が所有する島を訪問した際に、教授と性的な関係を持つように命じられたという、ある女性の証言が見つかったのだ。Minsky氏は2016年に亡くなっている。

 Zuckerman氏はコメントを控えた。MITメディアラボ、伊藤氏、Matias氏はいずれも、コメントの依頼にすぐには応じなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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