メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

08月22日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

[CNET Japan] IPOはまだ先--Dropbox創業者が語る競合、エンタープライズ、Mailbox買収

:

:

:

 ドラッグ&ドロップでファイルが共有できる「Dropbox」、手軽さとわかりやすいネーミングが受け入れられ、ファイル共有や共同作業を大きく変えた。

 ITコンシューマライゼーションの代表格と形容されることも多いが、Dropbox共同創業者で現在CEOを務めるDrew Houston氏は「最初から個人と企業の両方を狙っていた」とし、“次の課題”といわれるエンタープライズの展開に自信を見せる。10月末、アイルランド・ダブリンで開催されたウェブベンチャーイベント「WebSummit 2013」でHouston氏が登場し、エンタープライズ、競合、IPO、そしてMailboxの買収などについて語った。

 Houston氏はWall Street Journal欧州版のテクノロジージャーナリスト、Ben Rooney氏の質問に答える形で、さまざまなトピックについて話した。

IPOの予定は当面なし

 Dropboxは2008年に創業、5年目にしてユーザーは2億人に達しているという。最新の評価額は40億ドル。折しもDropbox創業の1年前に立ち上がったTwitterがIPO直前だったことから、Rooney氏は最初の質問としてIPOについて聞いた。Houston氏は「いつかは(IPOを)するだろう。だが現在は、すばらしい人材を採用して、優れた次世代のサービスを構築することにフォーカスしている」と述べ、当面予定していないとした。「われわれはすでに収益を上げている」とも述べる。「IPOをする理由の1つが資本。Dropboxは現在資本を必要としていない。(株価の形で)継続的に評価が得られるというメリットもあるが」と続けた。

 Dropbox人気を受けて、GoogleやAppleもファイル共有サービスを開始した。「創業するとき、ハイテク業界の王者たちと競合関係になると想像していたか」という問いについては、「起業したのは、自分の問題を解決するため。自分にメールを送るとかハードディスクドライブを持ち歩く、あるいはバックアップをとるようなことにうんざりしていた」と明かす。

 競合については、「会社の規模が小さかったときから、同じようなサービスを提供するところと競合関係にあった。競合よりもすばらしい製品、ユーザーが使いたいと思うような製品の開発にフォーカスしている」と述べた。

Mailbox買収について

 Dropboxによる最新の大型買収が、3月に発表したiPhone用Gmailアプリ「Mailbox」のOrchestraとなる。Mailbox買収の狙いについてHouston氏は明言を避けながらも、「電子メールが嫌い。これが出発点だ」「たくさんの未読メールがたまっており、メールが非効率的だと感じている人は多いはず。メールは人類の時間を無駄にしている」と切り出す。

 「電子メールはあまり進化していない。Mailboxはメールの進化に向けたアイデアを持っており、その一部を実現しようとしていた」と創業者やチームの獲得が目的だったことを伺わせた。「できることはたくさんある。まだ氷山の一角を見ているにすぎない」。

エンタープライズへの挑戦

 対談の多くは、エンタープライズへの拡大に割かれた。「(Dropboxは)コンシューマーからエンタープライズに拡大している」というRooney氏の言葉に対し、Houston氏は「あまり理解されていないが、Dropboxは最初から個人利用と企業の両方を狙っていた。自分自身が仕事をする上で感じた問題を解決することが起業のきっかけ――つまり、仕事に使えるサービスとしてスタートした」と返す。

 「エンタープライズはDNA」と述べるHouston氏に対し、「金融や政府など機密性の高いところでのDropboxの利用が深刻な問題になっている」とRooney氏。Houston氏によると、Dropboxの戦略は“(組織の)ITに受け入れられるようにする”ことだ。「コンシューマーと同じように、ITが使って楽しいと思えるサービスにする」とHouston氏。具体的には、Dropboxのシンプルさ、使いやすさなどの体験を維持しつつ、シングルサインオン、共有設定などの機能を構築しているという。

 同時に、ITが抱える問題を次のように指摘した。「ITは(1)スタッフの生産性を上げる、(2)ロックアウトして企業の情報を保護する――という2つの任務がある。この2つの間で衝突があり、現在はどちらかを選ばなければならない。だが、われわれは両立可能だと考える」(Houston氏)。

 安全性については、「常に改善に向けて強化、開発している」と述べる。インターネットショッピングが登場した当初、クレジットカード入力に抵抗があったが少しずつ緩和されていったように、オンラインでファイルを保存することについても懸念や不安が少しずつ解消されるだろうと展望した。

 なお、米国の国家安全保障局(NSA)のPRISM監視プログラムについては、「Dropboxは参加していない」と断言した。信頼性は創業時からの目標であり、政府からの要請があったときは内容を調べてポリシーに基づき対応しているという。また、透明性改善のためにGoogleらと協力して戦っていくとも述べた。

Dropboxは「ファイル共有」でなく「ファイル同期」

 別のセッションではDropboxの欧州担当トップのJohann Butting氏が、エンタープライズ戦略について説明した。Butting氏によると、Dropboxはすでに200万社で利用されており、Fortune500社の95%がユーザーという。これらの企業から最も多く寄せられる意見が「もっと管理機能が欲しい」というもので、可視性、制御や管理などにフォーカスして機能開発を進めていると述べた。セキュリティについては、単一の企業では難しい規模での大型投資をしており「オンプレミスよりも安全でない、とは思わない」とした。

 Butting氏が強調するのは、「ファイル共有」ではなく「ファイル同期」だ。「われわれは自社のことを“なにかを保存するサービス”というより、“デバイス間で同期するサービス”と見ている」とButting氏。先のAPI公開もこの考えを土台にしているという。

 同期や共有の対象についても、「ファイルやフォルダを超えたところを考えている」と述べ、ToDoリスト、コンタクトリスト、最後のセッションを他の端末でスムーズに連携するなどのことを実現していきたいと続けた。「アプリケーションはすべて、デバイスを超えて利用されるようになる。データをどうやってある端末から次の端末にシームレスに利用できるようにするのかが大切だ」と今後の方向性を伺わせた。

PR情報
検索フォーム

CNET Japan ニュース(提供:朝日インタラクティブ)記事一覧

注目コンテンツ