村田製作所は13日、東光と東京電波を子会社化すると発表した。東光へはTOB(株式公開買い付け)を実施して議決権の過半数を取得、連結子会社化する。東光の上場は維持する考え。東京電波は株式交換で100%出資子会社化する。
東光株の保有比率を現在の15・88%から最大66・60%まで引き上げる。1株当たりの取得金額は300円を予定。上限まで取得した場合の総額は174億円となる。子会社化の時期は10月ごろを想定する。
村田は2012年3月に東光へ資本参加し、電源用コイルの開発・販売で協力してきた。東光の子会社化で巻き線・磁性材料技術を応用した高機能部品を開発する。
東京電波は8月1日に株式交換を通じて100%出資子会社化する。東京電波株1株に対して村田株0・1株を割り当てる。東京電波は7月29日付で上場廃止になる見通し。現在は31・86%の株式保有の持分法適用子会社だが、100%出資で同社の持つ水晶デバイスの技術を取り入れ、ラインアップを拡充する。
村田製作所は2013年3月期連結業績で売上高6650億円、営業利益500億円を予想。東光(13年12月期)は売上高290億円、東京電波(13年3月期)は売上高95億円を見込む。
村田恒夫村田製作所社長は「子会社化で垣根がなくなり思い切って資源投入できる」と述べた。
【会見要旨/村田製・村田社長「新市場狙う」、東光・川津原社長「海外勢に対抗」】
村田製作所の村田恒夫社長、東光の川津原茂社長の会見での主なやりとりは次の通り。
―子会社化の狙いは。
村田氏 さらに踏み込んだ協業を進めるためには今の状態では不十分だった。これまで獲得できなかった市場を取りに行きたい。
川津原氏 海外勢が攻勢を強めるなか、日本企業同士で過当競争すべき時ではない。村田さんの販売力と情報力が東光の力になると考えた。
―従来の提携効果は。
村田氏 13年度の売上高に一部出てくる。
川津原氏 12年度の生産量は前年比で倍増。提携による販売拡大を見越して、計画よりかなり前倒しで増産している。
―追加出資は。
村田氏 現時点では考えていない。
【隣接技術すり合わせ付加価値】
村田製作所のM&A(合併・買収)戦略は飛び地を作るためでなく、自らの周辺領域を固める技術や販路の獲得を狙うものだ。得意とするモバイル機器向けの通信関連部品は、複数部品を組み合わせて納入するモジュール化が進んでいる。
顧客の課題解決に最適な部品を提供するには、部品メーカー側で隣接技術とのすり合わせが不可欠。それによって付加価値を創出でき、激しい価格競争とも一線を画すことができる。技術力の優位性を保つためにも、セットメーカーに先んじて技術領域を拡大させておくことが重要になる。
村田製作所は現在、長期的な事業戦略の策定を進めている。その中には6つの“ハウス”という重点商品群のコンセプトを織り込む見通しだ。東京電波の水晶デバイスは「タイミングデバイス・ハウス」、東光のインダクターは「EMI(電磁妨害)ソリューション・ハウス」に、それぞれ位置づけられている。またインダクターは高周波用途だけでなく、今後の注力分野である電源向けにも必要な技術となる。
モバイル機器をはじめとする完成品の開発期間は短く、部品メーカーへの要求も厳しい。今後もM&Aを積極的に活用し競争力の向上を急ぐ。
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