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手塚治虫文化賞

第12回
手塚治虫文化賞

第12回短編賞

猫との日常、ぜいたくな味わい

『グーグーだって猫である』大島弓子さん作(角川書店)
グーグーだって猫である
©大島弓子/角川書店
愛猫との日常を描いたエッセー風の作品。月4ページの連載をまとめた単行本は何ともぜいたくな味わいだ。物語は長く連れ添ったサバの死に始まり、グーグーとの出会い、大島さんのがん治療と再びの日常へと続く。

「すべて実際に起きたことなので、ストーリーづくりに四苦八苦することなく、記憶の中から芋づる式に出てくるものを楽しく描いています」

包み込むような言葉と優しい描線。幸福感ただよう作品は、一方でシビアな洞察力を併せ持つ。だからこそ生命あるもののよろこび、そして別れのかなしみが、いっそう深く感じられるのだろう。深刻な状況にもユーモアと冷静さを失わないタフさには、著者の底力を実感する。

現在、一軒家に13匹の猫と暮らす。「生命のあるものは皆、人と同じ感情を持つと確信するようになりました。これまで、いかにそれらを無視してきたことかとも。これからも猫たちとの生活をいつくしみながら、ゆっくりと描いていけたらと思っております」


おおしま・ゆみこ 栃木県生まれ。68年に「ポーラの涙」でデビュー。代表作に「綿の国星」など。「グーグーだって猫である」は「本の旅人」(角川書店)で連載中。




※受賞者プロフィールは当時のものです。


 

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