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新型インフルエンザ

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写真:県立宮崎病院に納入された新型インフルエンザのワクチン=宮崎市北高松町:県立宮崎病院に納入された新型インフルエンザのワクチン=宮崎市北高松町

県立宮崎病院に納入された新型インフルエンザのワクチン=宮崎市北高松町

解説

新型インフルエンザとは

 A香港型、Aソ連型、B型という従来の季節性インフルエンザとは異なる新顔のインフルエンザ。人が免疫を持たないため、1918年に発生したスペイン風邪(全世界の推定死者数4千万人)、57年のアジア風邪(同200万人)、68年の香港風邪(同100万人)のような世界的大流行(パンデミック)を起こす恐れがある。

 2009年4月にメキシコと米国で確認された新型インフルエンザ(A型H1N1)は、豚に感染して呼吸器症状を起こす豚インフルエンザが由来とみられている。通常の豚インフルエンザはまれに人に感染したとしても、さらに別の人に感染することはほとんどないが、今回のウイルスは豚の体内で人や鳥のインフルエンザウイルスと混ざって(交雑して)、人から人に感染しやすい新型インフルエンザウイルスになった、と考えられている。

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 1日〜数日の潜伏期間があり、症状も比較的軽い場合が多かったため、感染者が広く移動しやすく、1カ月足らずのうちにメキシコから米国、カナダ、さらに南米、欧州、アジア・オセアニアなどで感染者が確認された。世界保健機関(WHO)は警戒レベルについて、パンデミックのひとつ手前の「フェーズ5」を宣言した。

 日本では5月9日にカナダから成田空港に帰国した高校生3人と引率教員1人の感染が、検疫で確認された。同16日には、渡航歴のない神戸市内の男子高校生の感染が判明。その後、兵庫県や大阪府の学校を中心に集団感染が次々に明らかになった。

 今回の新型インフルエンザの症状は、メキシコを除けばおおむね通常の季節性インフルエンザと同程度とされる。致死率も、スペイン風邪の2%程度よりは低く、季節性インフルエンザの0.05〜0.1%を少し上回る程度ではないか、とみられている。抗インフルエンザウイルス薬のタミフルやリレンザも効く。

 しかし、内外とも10代の患者が多く、海外では健康な若者の重症化が報告されるなど、季節性インフルエンザとは異なる特徴もある。妊婦や糖尿病で血糖値のコントロールができていない患者では重症化するケースが多く、注意が必要とされている。

 また、軽症例が多くても軽視することはできない、パンデミックになれば、患者が医療機関にあふれ、一般患者の診療に悪影響が及ぶ。高齢者などのケアサービスができなくなったり、企業活動の縮小など経済・社会的打撃も大きくなるからだ。

 今後の展開を予想することは難しい。インフルエンザウイルスは極めて変異しやすいからだ。スペイン風邪の場合、1回目の流行時は比較的病原性が軽かったが、2回目の流行で病原性が重くなり被害が大きくなった、との説がある。過剰に恐れる必要はないが、変異の動向には細心の注意が必要だ。

 国は秋以降の流行に備え、ワクチンの開発を進めている。ただ、季節性インフルエンザでも、毎年1万人近くが肺炎などを起こして亡くなっている。国内メーカーの製造能力には限界があり、季節性と新型の配分をどうするかが課題だ。

 個人レベルで感染拡大を防ぐ対策は、季節性インフルエンザと一緒だ。

 インフルエンザウイルスは人のくしゃみやせきなどのしぶきに含まれる。しぶきを吸い込んだり、しぶきがついた手で鼻や口に触れたりすることで感染する。ウイルスを洗い流す手洗いを普段から心がけ、流行時は人込みや不要な外出を避ける。

 感染してしまったら、発熱やせき、関節痛などの症状がある間は出歩かないことが最も重要だ。マスクをし、くしゃみやせきをするときは、ティッシュなどで覆ってすぐに捨て、手を洗う。

 今回の新型の豚インフルエンザが登場するまでは、高病原性の鳥インフルエンザ(A型H5N1)が人から人への感染性を獲得することが主に警戒されてきた。呼吸器だけでなく全身の細胞に感染し、致死率が高くなる恐れが指摘されている。まだそうした状態にはなっていないものの、東南アジアやエジプトなどでは鳥から人への感染例が相次いでおり、警戒を緩めることはできない。(武田耕太)

解説文は09年6月5日更新

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