
衆院の解散詔書が読み上げられ、万歳する国会議員たち。正面奥が自民党席=09年7月21日午後1時4分、国会内、相場郁朗撮影
ふつうは衆議院議員総選挙のことをいう。参議院の場合は全員を一度に改選するのではなく、3年ごとに半数を改選するため、「通常選挙」と呼ばれる。なお、議員の死亡や辞職により欠員が生じた選挙区で行われる「補欠選挙」は、総選挙には含まれない。
衆議院議員の任期は4年間。現在の議員は2009年8月30日の第45回総選挙で選出されたため、13年8月29日に任期が切れる。現行憲法の下では、第23回総選挙(1947年4月)以来、23回の総選挙が行われたが、任期満了による総選挙は第34回(76年12月)の1回だけ。他の22回は、いずれも衆議院解散によって行われた。
憲法69条では、衆議院が内閣不信任決議案を可決するか、信任決議案を否決した場合は、10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければならない、とされている。
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そんなケースだけではなく、憲法7条には天皇の国事行為のひとつとして、「衆議院を解散すること」が明記されているので、69条の要件を満たさなくても解散することができる。天皇の国事行為は、「内閣の助言と承認により」行うとされており、事実上は内閣総理大臣が衆議院解散の権限を持っている。これを「内閣総理大臣の解散権」と言い、総理大臣のリーダーシップの最後の砦になっている。
衆議院が解散されると、40日以内に総選挙の投票を実施しなければならない。投票日の12日前に総選挙が公示される。立候補の届け出は公示日の午前8時30分から午後5時までの間に受け付けられる。選挙権は満20歳以上、被選挙権は満25歳以上の日本国民が持つ。
旧憲法下で実施された戦後最初の第22回総選挙(46年4月)は、東京など7都道府県は2選挙区、他の府県は1選挙区の「大選挙区制」(定数4〜14)で行われた。定数10以下の選挙区は2名連記、11以上の選挙区では3名連記で投票する方式だった。
第23回から第40回(93年7月)までは、いわゆる「中選挙区制」で実施された。定数3〜5の選挙区(例外的に定数2や6があった。鹿児島県奄美群島区は定数1)で、有権者は1人1票の単記式で投票した。
第41回(96年10月)以降は、「小選挙区比例代表並立制」で選挙が行われている。現在、衆議院議員の定数480のうち、300が選挙区、180が比例代表に割り振られている。有権者は選挙区の候補者名を投票する1票と、比例代表の政党名を投票する1票の、計2票を投票する。
全国300の選挙区は、いずれも1人だけが当選できる「小選挙区」である。比例代表は11のブロックに分けられ、定数は北海道8、東北14、北関東20、南関東22、東京17、北陸信越11、東海21、近畿29、中国11、四国6、九州21。
比例代表選挙では、各政党はブロックごとに順位付きの名簿を作成し、選管に届け出る。各政党の当選者数は、ブロックごとに得票数に応じて「ドント方式」で分配される。仮に、ある政党の当選者が3人と決まった場合は、名簿の1位から3位までの候補者が当選となる。
この選挙制度を分かりにくいものにしているのが、選挙区と比例代表の両方に立候補できる「重複立候補制」である。選挙区で落選しても、比例代表で当選圏内の順位に入っていれば比例代表で当選することができる。これを「復活当選」という。
重複立候補する複数の候補者が、同一の名簿順位で届けられることも多い。同一順位の候補同士の優先順位は、選挙区の「惜敗率」が高い順に決められる。
惜敗率とは、当該候補者の選挙区の得票数が、その選挙区の当選者の得票数に対し何%だったかで算出される。ただし、選挙区で法定得票数(有効投票数の10%)に満たなかった候補者は、復活当選することができない。(峰久和哲)
解説文は09年4月20日更新