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11月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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河田防災塾

 南海トラフ大地震や豪雨など、いつ起こるか予想できない災害にどう備えるべきか――。減災・防災研究の第一人者で関西大学社会安全研究センター長の河田恵昭・特別任命教授が、連続講座「河田防災塾」を開催しています。関西大学主催、朝日新聞社後援で、「災害を前提とした社会をどう築くか」をテーマに来2018年3月まで全10回の予定。講義内容を随時、公開していきます。

河田恵昭

河田恵昭(かわた・よしあき)
 京都大学工学部卒業後、京都大学大学院を経て、1976年に京都大学防災研究所助教授就任。米国のワシントン大学やプリンストン大学に留学し、93年に同研究所教授、2005年に同研究所所長。その後、関西大学環境都市工学部教授、同大社会安全学部教授、12年から同大社会安全研究センター長。日本政府中央防災防災会議防災対策実行会議委員。兵庫、大阪、岡山、和歌山、三重、奈良、高知、新潟、愛知、静岡各府県の防災対策委員長を歴任。02年から人と防災未来センター長。

 地震や台風、豪雨が多発しているのに、多くの人にとって災害は「ひとごと」だ。もはやのんびりとしていられないということを強く自覚してほしい。
 昨年の熊本地震で、益城町は震度7に2度襲われた。町の直下を走る活断層沿いで大きな被害が出た。
 益城町と同様、京都市や奈良市にも活断層が走っている。人口は益城町より格段に多いから、活断層が動けば被害も大きくなる。「長い間、災害がないから安全だ」というのは思い込みでしかない。
 世の中が豊かになるほど、リスクに対する抵抗力が弱くなっていることにも留意すべきだ。
 たとえば鉄道の相互乗り入れ。とても便利だが、どこかでトラブルが起きると全線で電車が止まることもある。システムが巨大であるほど、一つのトラブルがネットワーク全体に影響を及ぼすためだ。
 ロボット化が進む工場もリスクに弱い。精巧な技術であればあるほど、地震でロボットの位置がずれるだけで製造ラインは止まる。修理できる技術者の数には限りがあり、長期間、サプライチェーンが途絶えることにもなりかねない。
 災害は縦割り組織の谷間や、社会的弱者に襲いかかってくる。
 たとえば医療。私の研究では、南海トラフ大地震が起きれば、和歌山県にいる3千人近い透析患者のうち半数以上は透析が受けられなくなる。県外に行くしかないが、大阪府や奈良県では、それだけ多くを受け入れる態勢になっていない。
 あらゆる政策や計画に防災の観点を組み込む「防災の主流化」が求められる。この役割を果たせるのは、やはり自治体や企業などの防災担当者だ。地域防災に役立つ話もふんだんに盛り込むつもりだ。

河田恵昭氏からのメッセージ

■講義1回目

写真・図版

温暖化影響、風水害は激化 近年の災害の発生傾向(2017/5/6)

■河田防災塾:1 地球の温暖化の影響で、風水害は激化する傾向にある。2011年の台風12号では、奈良県上北山村で1808・5ミリの雨量を記録した。台湾では近海の海面水温が日本より高いため、水蒸気を多く……[続きを読む]

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■講義2回目

写真・図版

繰り返す南海トラフ地震 近年の災害の発生傾向(2017/6/7)

■河田防災塾:2 地震には活断層地震と、プレート境界型の海溝型地震がある。海溝型地震の一つが南海トラフ地震だ。 南海トラフ地震は繰り返し起きている。起こる数十年前からマグニチュード(M)6以上の内陸や……[続きを読む]

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 時間の経過と津波の高さを表した動画。断層が大きくずれる箇所ごとに5ケースを想定

【ケース1】東海地方が大きく被災する場合

地震が遠州灘から起こり始め、南海トラフに沿って拡大。5分後には駿河湾沿岸や紀伊半島に5メートル以上の津波が押し寄せ、20分後には静岡、三重県の一部に20メートル以上の津波が到達する。30分後には高知県で10メートル以上、九州でも5メートル以上の津波が押し寄せる。津波は繰り返し、数時間後も断続的に大津波が来襲する。

■講義3回目

写真・図版

危機管理準備、実践訓練を 自治体などの対策(2017/7/28)

■河田防災塾:3 災害への対応を時系列で見ると、発生から10時間は「将来が読めない混乱期」、100時間は「命を守る活動期」、1千時間は「暮らしを維持する活動期」で、その後は「暮らしの再建・復興期」にな……[続きを読む]

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■講義4回目

写真・図版

市民力、近所付き合いから 地域住民の役割(2017/8/5)

■河田防災塾:4 防災の基本はあくまでも「自助」。自助でできないところを「共助」でまかない、それでもやれないところを「公助」でカバーする。こういう基本的な姿を知ってもらう必要がある。 まずは住民一人ひ……[続きを読む]

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■講義5回目

写真・図版

想定外視野に事業計画を 企業の災害対策上の課題(2017/10/16)

■河田防災塾:5 わが国の企業防災は不十分だ。災害時の対応を定めた事業継続計画(BCP)は大企業では普及率が高いが、中小企業では全く進んでいない。これでは被害を受けたとたんに倒産することになりかねない……[続きを読む]

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