
第8回 スマートなチップ作法
計算方法と小銭は準備しておこう
文 上野陽子
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前回に引き続いて、今回はチップの計算と渡し方についてです。チップに慣れない私たち日本人は、どのくらい渡そうか悩み、タイミングや渡し方にいたっても考えてしまいます。お財布を見たら小銭がなかったり、そもそもお財布が出てこなかったり……。これでは、もらうほうももらいにくい。スマートなチップの渡し方って慣れもあるけれど、あらかじめ用意する心遣いが大事なんだと思います。
 写真/中野愛子
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まずは、ちょっと便利な計算の仕方をご紹介。国によって異なりますが、支払う金額のおよそ10〜20%程度がチップになるとして、たとえば…78ドルの15%は?と計算するのはちょいとおっくう。そこで、私はアメリカ人の友人に習ったこんな計算方法を使っています。
それは、まず
<10%を考えて、2倍して20%を出したら、10%と20%の間をとる>
という方法。
たとえば、 78ドル×10%(0.1)=7.8(約8)ドル。
これを2倍すれば 7.8×2=15.6(約16)ドル。
そこで、 15%なら10〜20%(8〜16ドル)の間の12ドル程度 になるわけです。きっちり15%としなくても、受けたサービスや小銭の都合で増減すればいいのでサッとチップ額がわかります。「チップ計算表」などもありますが、慣れれば表を取り出すよりも手軽です。
でも、チップのたびに大きなお財布を取り出して1ドル札を探すなんて無粋ってもの。ポケットに小銭をしのばせておくひとつの方法として、お札やカードを挟むマネークリップがあります。これで1ドル札5枚に5ドル札2枚くらいを折りたたんでおけば、ポケットに入れても散らからず、荷物を運んでもらったときなどパッと出せてもたつきません。その種類も皮製、スチール製や、カード類が留められるものと多彩。女性ならばバッグのポケットに小額をわけて忍ばせておくのもひとつでしょう。
タイミングも難しいところです。荷物をひとつ運んで置いたときに1、2ドルをさっと渡す、会計と一緒に支払うなど、サービスを受け終わったところで、その人がいなくなる前に、さっと渡すのが良いタイミング。
以前、開高健さんと一緒に南米で賭博をこなしてきたという編集者に、モナコのル・カジノでチップの払い方を教えてもらったことがあります。ルーレットのときは「当たったらその都度ディーラーにチップを投げなさい」と。実は、手練のディーラーは、自分の思ったとおりの目に玉を投げられるんだとか。やはり女性には甘いようですが、高額の真剣勝負ならいざ知らず、スマートにチップを投げる男性だって気持ちよく勝たせてくれるかもしれません。最後は「楽しませてくれてありがとう」という意味で、少々まとめてチップを渡すのが礼儀だそうです。
レストランやお店では、お釣りで出た細かいお金などを加えて、無造作にチップを置いていく人が多いようです。もちろんそれでもいいのですが、私は勘定書の間に斜めに挟んだり、コースターの下に差し込んだりして、置いてあることがわかる程度にさりげなく置くようにしています。これは、自分なりのチップへの心ぞえとして。
相手がどんな風に受け取りたいか考えることが、自然とスマートな作法につながるものかもしれません。
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旅のA to Z その8
計算方法と小銭は準備しておこう
大切にしたい、心づけへの心ぞえ