旅先の食事で失敗しないために
2008年4月22日
写真/中野愛子
幸か不幸か、私には好き嫌いがないし、屋台でも露店でも、高級レストランでも、どんなお店でも大丈夫。
だから、旅先ではどんなお店でも訪ねてみる。その中で、とにかくおいしものを食べるためには、やっぱり人気のお店探しは欠かせない。それも、観光客に人気ではなくて、現地の人に人気のお店。
以前、ホテルのコンシェルジュに「あなたのお気に入りのお店を紹介して」とお願いするといい、と書いたことがある。英語でなら”Could you tell me the name of your favorite restaurant, please?”
このポイントは「あなたのお気に入り」(your favorite)というところ。
観光客が喜びそうなお店選びをしてもらうよりは、ずっと気軽で本当においしいお店に行きあたる。タイのプーケットでは、この手で裏路地の大衆食堂みたいなお店を紹介されたけれど、旅全体を通してどこのお店よりもおいしかった。
カンヌでは、到着したその晩の夕飯をどうしようかなと考えて、「なんでもいいからおいしいお店を」とフロントの人に聞いてみた。すると、「なんでもいいなんて言わずに、ここに行きなさい」と、これまた中心街から離れた裏路地のお店を紹介された。落ち着いたレンガ調で、さりげなく落ち着いた店。入ってみると、お客さんなんて誰もいない店内に……ハリウッドスターのサインや写真が壁一面!
なんと、知る人ぞ知る、人気の名店だった。
ウェイターの所作もさりげなく、やわらかなテーブルクロスにはろうそくがゆらり。パスタもポアゾンも柔らかくて奥行きのある味。お忍びで要人やスターがやってくるにふさわしく、どこか気品がある。
ガイドブックに頼っていたら、絶対に行きつけなかったお店。ぶらぶらしていてこんなお店を見つけられたら何よりだけれど、短い滞在の間なら、こんな風に人の意見をヒョイと小耳にはさむと、思わぬ収穫が得られる。
あるいは、市場のおじさんなど、案外と裏グルメなお店を知っていそう人や、食にこだわりがありそうな人に
「この辺でどこかいい店知ってる?」(”Do you know any good restaurant around here?”)や、「この国で食べるべきものって何?」(”What should I make sure to eat in this country?”)なんて聞いてみるのもいい。
その国の味で、日本人には馴染めないってことももちろんあるけれど、やっぱり旨いものは旨い! と思うことが多い。
こうして私は好奇心旺盛であれこれ試すから、そのぶんお腹もこわしてきた。
取材旅行の間、ずっと具合が悪くて辛い思いをしたこともある。ので、衛生状態や食の安全性だけは、自分で見極めるようにしている。
ガイドブックよりも、現地の人のおススメが一番。そして、それを鵜呑みにするだけじゃなく、自分にあうかあわないかを判断することをお忘れなく。
納得がいったら屋台や大衆食堂でも、あるいは思いきった高級料理店でも奮発して行ってみたい。
これで、かなりの確率でおいしい食事に行きあたれますよ。
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旅のA to Z その55
現地の人の「あなたのお気に入り」を聞いて
自分にあうレストランを見つけよう。
立教大学在学中にカナダ・オーストラリアに留学。卒業後ボストン大学修士課程でジャーナリズムを専攻し、通信社・出版社を経てフリーランスで活躍中。趣味と仕事で世界をぶらり、旅した国は40カ国を超える。旅やカルチャーをテーマにした連載も多数。最新刊『気持ちが伝わる英会話のルールとマナー』(日本実業出版社)が好評発売中!
他に著書として『海外ネット通販百科』、共訳書に『悪魔のマーケティング』(日経BP社)など。著書と同名のブログ『恋する英語』はこちら。