【大内奏】中部空港発着の格安航空会社(LCC)の運賃とダイヤが6日、出そろった。激しい価格競争を繰り広げるのはエアアジア・ジャパンとジェットスター・ジャパン。ともに3月31日に就航する。
■「お値打ち」ともに強調
エアアジア・ジャパンの小田切義憲社長が6日、中部空港で記者会見を開き、3月31日に就航する福岡便の運賃とダイヤを発表した。片道4180〜1万7980円で、毎日1往復を運航する。4月26日からは毎日2往復に増やし、さらに札幌(新千歳)便も就航。運賃は5080〜2万2380円となる予定だ。
福岡、札幌の両路線は、特別運賃として2月7〜13日に758(なごや)円で売り出す。平日に比べて休日が高く、出発日に近づいて残り座席数が少なくなるほど高くなる仕組みだ。小田切社長は「お値打ち価格。徹底した低運賃で成長したい」と話した。
一方、ライバルのジェットスターの中部―福岡便は4190〜2万4990円。最低運賃の差はわずか10円。こちらも運賃には自信を持つ。鈴木みゆき社長は「『値打ち』を重視する愛知の県民性に合っている」と話している。
競争は販売戦略にも及ぶ。エアアジアは1月から旅行会社のビッグホリデーと提携。ビッグホリデーの店頭やホームページで、航空券とホテルをセットにした格安ツアーを売る。HISやJTBなど大手旅行会社と提携して先行したジェットスターを追う。
■「未踏の地」はや争奪戦
エアアジアとジェットスターとの競争は昨年夏から。7月にジェットスターが成田空港に就航すると、追うように8月にエアアジアが就航した。
成田から3路線を運航するエアアジアの昨年8月の搭乗率は80%超の高水準。だが、航空券販売をインターネットや電話に絞ったことなどが響いて搭乗率は低下し、12月は50%程度に。年間平均80%という目標達成は厳しくなっている。
そこで、打開に期待をかけるのがLCC未踏の地、中部への就航だ。成田に次ぐ第二の拠点とし、便数や就航路線を増やす方針だ。
一方、成田を拠点に国内7路線を運航するジェットスターは、今夏にも関西空港を第2の拠点とする。それでも今年3月以降に就航する5路線のうち、3路線は中部発着。成田や関空にとどまらず、路線や便数をいち早く増やして利用客を囲い込む狙いがある。
中部でも今春は3路線、1日1〜2往復で始めるが、将来は1日3〜4往復にし、就航先も増やすという。
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〈LCC〉 ローコストキャリア(格安航空会社)の略。機内食を別料金にしたり、座席数を増やしたりして安い運賃を実現している。エアアジア・ジャパンは全日本空輸系、ジェットスター・ジャパンは日本航空系。両社とも成田空港が拠点。ほかに関西空港を拠点としたピーチ・アビエーションがある。
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