【五十嵐聖士郎】国内の格安航空会社(LCC)は1日に就航1年を迎えた関西空港拠点のピーチ・アビエーションに、成田拠点のエアアジア・ジャパンとジェットスター・ジャパンが加わり、3社がしのぎを削っている。それぞれの乗り心地はどうなのか。2月17、18両日、関空から札幌(新千歳)、成田と3社の便を乗り継ぎ、乗客の声を聞いてみた。
■ピーチ「機内食の量◎」
まず搭乗したのは日曜17日午前7時関空発の札幌行きピーチ便。駐機場を歩いて機体に乗り込んだ。足元はかなり窮屈だ。LCCは乗客を多く乗せた機体をたくさん飛ばすことで格安運賃の実現を図っており、席の狭さは3社とも同じだ。
京都府城陽市の美容師の女性(29)は「往復1万円のキャンペーンを知り、急きょ北海道行きを決めた。浮いたお金は遊びに回せる」。大阪府八尾市の大学生青木凌大(りょうだい)さん(22)も「卒業旅行のため初めて乗った。寝るには狭かったけど、安いので学生でも気軽に使える」と話した。機内食の温かいパスタは、思った以上の量だった。
ピーチは札幌、福岡など国内5路線と国際3路線で計23往復。4月に仙台、6月に新石垣に就航する。拠点の関空は成田と違い離着陸制限がないため、深夜早朝も飛ばせる利点がある。
■エアアジア「華やかな制服」
札幌に着き、エアアジアの成田行きに乗り継いだ。客室乗務員の女性の鮮やかな赤色の制服が目をひく。乗務員が髪を肩に下ろすのを禁じている社が多いが、エアアジアは「お客さんに楽しんでもらうため、華やかな身だしなみであれば髪を下ろしてもOK」。観光帰りの横浜市の会社員(38)は「派手な格好に驚いたが、すぐ慣れた」。機内食のサンドイッチは温かく、お手頃な値段だった。
海外旅行のため成田に向かった札幌市の大学生、中江萌木(もえぎ)さん(22)は「2カ月前に片道6千円で予約した。定刻通り運航できるかが今後の鍵になる」とみる。
■ジェットスター「最低価格保証」
翌18日、午前7時の成田発関空行きジェットスターに乗ると、他社と違い、座席の背もたれの後ろにポケットがないことに気付いた。足元は若干広く感じる。空港駐機中の機内清掃の手間を省くためだという。機内食のサンドイッチは値段は高めに感じたが、ボリュームはあった。同社の特徴は同じ時間帯の同じ路線で他社の運賃の方が安い場合、その10%を値引きする「最低価格保証」。出発直前に欠航した場合はホテルを手配するなどして、差異化を図る。
大阪府大東市の男子高校生(18)は前日に東京で大学受験し、成田空港で1泊して帰りの便に乗った。「セールで往復6千円程度。お金をかけたくないので良かった」。前の早朝便が欠航し、便を振り替えた東京都小金井市の女子大学生(22)は「若いうちはお金はないが、時間はあるので大丈夫」と話した。
計5時間のフライトで運賃は約3万6千円。各社の便ともほぼ満席で、大半が若者だった。
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