現在位置:
  1. asahi.com
  2. トラベル
  3. 航空ニュース
  4. 記事

新幹線デザイン競う 「こまち」「はやぶさ」華麗で快適

2011年2月19日17時31分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:鮮やかな赤が特徴のE6系の「こまち」拡大鮮やかな赤が特徴のE6系の「こまち」

写真:カラフルな外観のE5系の「はやぶさ」拡大カラフルな外観のE5系の「はやぶさ」

写真:山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」の最新型車両=中里友紀撮影拡大山陽・九州新幹線「みずほ」「さくら」の最新型車両=中里友紀撮影

写真:テーブルや手すりに木材が使われている「みずほ」「さくら」の指定席車内=中里友紀撮影拡大テーブルや手すりに木材が使われている「みずほ」「さくら」の指定席車内=中里友紀撮影

写真:新幹線初のファーストクラス「グランクラス」=宮城県利府町、小宮路勝撮影拡大新幹線初のファーストクラス「グランクラス」=宮城県利府町、小宮路勝撮影

写真:秋田新幹線「こまち」に使われるE6系の普通車内。座席の色は実った稲穂の黄金色をイメージしたという=宮城県利府町、小宮路勝撮影拡大秋田新幹線「こまち」に使われるE6系の普通車内。座席の色は実った稲穂の黄金色をイメージしたという=宮城県利府町、小宮路勝撮影

写真:「みずほ」「さくら」のデザインを監修した水戸岡鋭治さん拡大「みずほ」「さくら」のデザインを監修した水戸岡鋭治さん

 これまでにない華々しいデザインの新幹線が春以降、次々に走り始める。機能一辺倒だったJR各社だが、「乗ってみたい」と思わせる車両の開発に力を入れる。有名デザイナーが手がけたり、日本の伝統技術を採り入れたりした車両もある。

 上半分が「常盤(ときわ)グリーン」で下半分が「飛雲(ひうん)ホワイト」、中央のラインは「つつじピンク」。3月5日から東北新幹線を走る「はやぶさ」に使われるJR東日本の新型車両E5系はカラフルなデザインが特徴だ。新幹線は白やグレーを基調にしたものが大半だっただけにJR他社を驚かせた。

 「乗ってみたいと思わせる車両をつくることで、新たなファンを掘り起こしたかった」。JR東の遠藤知幸・新幹線車両グループリーダーは語る。試験走行で、駅にいる女性客から「かわいい」と声があがるのを聞くのがうれしいという。

 客席も工夫を凝らす。背もたれ上部の枕部分を、新幹線の普通車では初めて可動式にした。新幹線初のファーストクラス「グランクラス」も導入される。担当者は「新幹線の車両開発は、『どうしたら多くの乗客を運べるか』から『どうしたら乗客に快適に過ごしてもらえるか』に変わった」と話す。海外に売り込む新幹線の核となる車両なので、デザインを説明する英語版パンフレットも用意した。

 「はやぶさ」の車両開発は、2013年3月から連結して走る秋田新幹線「こまち」の後継車両E6系と並行した。E6系は秋田の「なまはげ」をイメージした赤が特徴。イタリアの高級車フェラーリのデザインに携わった奥山清行さん(51)の監修で話題を呼ぶ。

 「はやぶさ」の担当者は「こちらは著名なデザイナーがいない分、負けまいと頑張った」と話す。JR東の幹部は「双方の開発陣が乗客目線で競い合った。どちらが優れているか、審判はお客さまに下してもらいます」。

 山陽・九州新幹線では「みずほ」と「さくら」が3月12日にデビューする。東海道・山陽新幹線のN700系と形は変わらないが、純白のN700系に対し、東アジア古来の青磁に着想を得た「白藍(しらあい)色」が売りだ。曇りの日や朝夕は青みが増して見えるといい、JR西日本と九州は「洗練された美を表現した」。側面のラインは濃い藍色でスピード感を表現。ラインの一部に重ねた金色は漆器の蒔絵(まきえ)をイメージした。

 こちらも「和のおもてなしの心」をテーマにした車内が自慢だ。女性専用トイレや全身が映る三面鏡のあるパウダールーム、障害がある人向けの多機能トイレ、授乳や着替えに使える多目的室もある。座席のテーブルや手すりには「桜調」と呼ぶ木材を使い、座り心地にもこだわった。

 JR西と九州の担当者がアイデアを持ち寄り、名古屋学芸大学教授の木村一男さん(76)、工業デザイナーの水戸岡鋭治さん(63)らが監修。2人は鉄道関連では世界唯一の国際デザイン賞「ブルネル賞」の常連だ。

 JR西と九州は「乗客の要望は多様になっている。みんなが『これまでにない新幹線を』との思いで開発に当たった。徹底的に議論を重ね、車内の隅々まで工夫を凝らすことができた」と話す。

   ◇

 なぜ、新幹線のデザインは変わったのか。デザイナーの水戸岡鋭治さんに聞いた。

 ――新幹線の内装に木材を使う意図は。

 鉄道は車や飛行機よりエネルギー効率が良く、今や最も自然に優しい乗り物だ。デザインでも環境への影響を考え、木材や和紙といった天然素材を可能な限り採り入れてきた。耐久性ではアルミや石油製品に劣るのでかつての鉄道会社は使いたがらなかった。だが、廃棄の際には一部だが自然にかえすことができる。「つばめ」が成功し、鉄道会社も乗客にとって心地がいいのは天然素材だと気づいた。木材や和紙は外国人旅行客に「日本」をPRできる。

 ――新幹線のデザインが変わってきた。

 「みずほ」と「さくら」では色や形、素材すべてでアジアや世界を意識した。東海道新幹線は何もしなくても客が乗るが、西へ行くほど乗車率は下がる。列車に付加価値を付け、乗客を呼び込まないといけない。ほかの新幹線でも、ハード面の条件をクリアした上で、地域性や時代についての表現を競い合うようになってきた。(小林誠一、宮嶋加菜子)

検索フォーム

航空関連ニュース一覧


朝日新聞購読のご案内

鉄道コムおすすめ情報

国鉄型が続々引退、春の新ダイヤ

200系新幹線や近畿地区の183系、東海地区の117系など、さまざまな国鉄型車両が引退する…