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2012年6月26日0時34分
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山田線「BRTで」 仮復旧、JRが提案 岩手

 被災したJR山田線を巡り、沿線4市町や岩手県などで作る公共交通確保会議が25日、宮古市役所で開かれ、JR東日本が山田線をBRT(バス高速輸送)で仮復旧することを正式提案した。鉄橋などは直さず8割強は一般道を走るとしたため、効果に疑問の声が上がった。被災路線のBRT化提案は気仙沼線に次ぎ二つ目。大船渡線も検討中だ。

 会議は、本復旧をめざす復興調整会議とは別に、当面の住民の足確保をめざすもの。首長、県の担当部長らが出席した。

 JRによると、山田線の宮古―釜石間(55.4キロ)では、21.7キロが浸水、13駅中4駅や線路の1割、鉄橋など6カ所、盛り土10カ所が破壊された。本復旧は安全の確保、まちづくりとの整合性など、各地で課題が多く、資金調整も含め相当時間がかかるとし、仮復旧を提案した。JRが運行主体になり、車両も買う。

 BRTは鉄道の敷地を舗装して専用道にする。だが山田線は被災した鉄橋が多く、鉄路が山側に大きく迂回(うかい)している部分などは、並行する国道45号を走る。専用道は釜石市鵜住居から大槌町にかけてなど約10キロにとどまり、宮古市内などはほとんど国道45号という。このため、BRTのメリットである定刻を守れるか、高速で走れるかは微妙だ。

 年内にもBRT化する予定の気仙沼線は6割程度が専用道。山田線に並行する45号は震災前から民間バスが走っており、首長から「メリットは」「バスと共存できるのか」と質問や疑問の声が相次いだ。

 国費で復旧中の三陸鉄道の南北リアス線を結ぶ山田線がバス化する影響を懸念する声も出た。本復旧の費用や見通しについてもJR側は答えなかった。

 会議は非公開。地権者との調整が必要などとしてルートも明らかにしなかった。終了後、JRの山口保幸・総合企画本部復興企画部担当部長は「仮復旧の手法として説明した。費用はJRが持つ」と話した。

 司会を務めた宮古市の山本正徳市長は「軽々に良い、悪いは言えない。早く結論を出し、鉄路復旧をめざしたい」と語った。

■ルート案の概要判明

 JR東日本が地元に示した山田線のBRTルート案が25日、関係者への取材でわかった。JRが示した案は使える鉄道敷地は使うが、敷地を使えない部分は一般道路で代用する、ということに過ぎない。

 案によると、宮古市内は、市街地中心部を東西に結び、国道45号で南下した後、磯鶏付近は鉄道敷地を使うが、その後はほぼ国道に沿う。それ以南で鉄道敷地を走るのは山田町豊間根付近、大槌町吉里吉里付近、大槌・釜石の境付近から鵜住居にかけてだけだ。この結果、鉄道敷地を使うのはわずか4カ所で一般道部分が8割に達する。

 ただ、ルート案は今後の自治体のまちづくりによって変更される可能性がある。市街地や住宅地をどこに設定するかによって、停留所の位置も大きく変えざるを得ないからだ。

 首長らからは「これでは普通のバス路線では」という声が出る。運行主体はJRだとしても、付近を通るバス会社と競合することになり、従来のバス路線が統廃合されるのは必至だ。

 JR側は、仮復旧の対応について、運賃を鉄道と同程度にし、増便や駅の増設も進めるとしているが、その間に、肝心の鉄道路線の復旧を進めるかどうかについては明言しなかった。

 このため自治体の担当者らからは「仮復旧とは言うが、なし崩し的にBRT路線を定着させるのでは」との見方がもっぱらだ。

 本復旧に向けてJRは、交差点や盛り土などへの対応について多額の費用が発生することも指摘した。一方、自治体にも線路を二番手の防潮堤代わりに考えるなど、様々なもくろみがある。ただ、現状の放置は最悪だ。BRTの長所・短所を網羅しつつ、早期に合意をはかる必要がある。

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