【工藤隆治】グアムの襲撃事件で、被害に遭った人の多くはインターネット経由の「手配旅行」で現地を訪れていた。旅行会社のパックツアーと違いがわかりにくいが、ホテルや航空券を手軽に予約できる一方、事故の補償やトラブル対応で思わぬ差が出ることがある。
旅行会社が扱う旅行には大きく分けて2種類ある。客の代わりに業者がホテルや航空券だけを手配する手配旅行と、日程や行き先、食事など旅行全体を業者が決めて客を集める企画旅行(パックツアー)だ。
事件に巻き込まれた日本人13人のうち7人は、楽天トラベル(東京都)の手配旅行だった。楽天の笠下清二広報部長は14日、現地に社員1人が到着したことを明らかにし、「家族のケアなどできる限りのことをしたい」と述べた。
手配旅行は客が自由に日程を決め、個人客のニーズが高い。本来、旅行会社が責任を負うのはホテルの手配や航空券の確保まで。旅行中のトラブルには責任がなく、事故があっても補償対象にならない。ネット専業の旅行会社のうち、楽天トラベルは海外旅行の7割を手配旅行が占める。国内中心の「じゃらん」や「一休」も手配旅行専門で、「実質的な旅行業というより、宿に販売の場を貸している事業形態」(じゃらんの広報担当者)という。
一方、企画旅行では、資格を持った旅行会社の添乗員が同行するか現地職員が対応するなどして、トラブルに備える義務がある。事故の補償の義務もあり、海外の死亡事故では1人一律2500万円を支払う。
大手旅行会社が加盟する日本旅行業協会によると、2010年度に加盟社が扱った海外旅行のうち手配旅行は金額ベースで43%で、企画旅行は57%。数年前からほぼ変わらない。ただ、これは海外の企画旅行を扱える大手のみのデータで、00年ごろから増えているネット専業の手配旅行業者を含めた統計はないという。
旅行業法では、手配、企画のどちらなのか広告に明示することになっている。ただ最近は、飛行機とホテル以外は自由行動の「フリープラン」をうたう企画旅行など、紛らわしいものもある。ホームページで企画旅行を募集する旅行会社も多く、手配旅行との違いは見えにくい。観光庁の担当者は「旅行に不慣れな人はどちらの形態かわからないかもしれない」と話す。
200系新幹線や近畿地区の183系、東海地区の117系など、さまざまな国鉄型車両が引退する…
詳細は鉄道コムでご覧ください。