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2012年1月19日

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ダイビング旅日記etc

世界随一のダイバーズパラダイス・パラオ Vol.4

文と写真:越智 隆治

写真:偶然の遭遇を期待したい大物、バショウカジキ拡大偶然の遭遇を期待したい大物、バショウカジキ

写真:早朝に行われるバラフエダイの大産卵拡大早朝に行われるバラフエダイの大産卵

写真:ペリリューコーナーで満月に群れる、ロウニンアジの群れ拡大ペリリューコーナーで満月に群れる、ロウニンアジの群れ

写真:ダイバーたちが、ペリリューカットから、ペリリューコーナーへバラフエダイを追いつめた拡大ダイバーたちが、ペリリューカットから、ペリリューコーナーへバラフエダイを追いつめた

写真:ドロップオフのくぼみに隠れて撮影したイレズミフエダイ拡大ドロップオフのくぼみに隠れて撮影したイレズミフエダイ

写真:ツノダシが1万匹も群れるという話は、他の海では聞いたことがない拡大ツノダシが1万匹も群れるという話は、他の海では聞いたことがない

写真:頭を白くした、カンムリブダイの婚姻色。この集団産卵も世界初の発見になった拡大頭を白くした、カンムリブダイの婚姻色。この集団産卵も世界初の発見になった

一発大物狙い。「期間限定、群れBIG5」改め、6?7?

 前回に引き続き、ペリリューでの話を中心に書く。なぜかと言えば、ここ数年、自分にとって、「パラオx取材=ペリリュー」という方程式が成り立つくらいに、訪れるのがペリリューの海ばかりだったからだ。しかも、何らかの群れのベストシーズン。

 多くのダイバーの憧れのポイント「ブルーコーナー」はほとんどスルー。なぜかと言うと、もう多くのダイバーが「ブルーコーナー」という名前は認知していて、今更取材する必要もないから。というのが、自分が主催するダイビングのWEBマガジン、WEB−LUEでの取材を依頼する、現地側のスタンスだからだ。

 個人的には、「セオリー通りのパラオ取材」もたまにはしてみたいと内心思っている訳だけど、リサーチに情熱を燃やす現地ガイドからすると、「もっと皆があっと驚くような新事実、ニューポイントを紹介したい」という思惑がある。そういう取材は、記事としても、自分自身もかなり面白い(ダイバーとして、ですよ)ので、もちろん、大歓迎ではあるのだけど。

 まずこの海を訪れる多くのダイバーの憧れが、バショウカジキ。ダイビング中に遭遇できたときの興奮は半端ではない。そして同じように潜っていながら、見られていない人にとっては、目撃した人の自慢話や、遠目にぼやけて写っているコンデジの写真を自慢げに見せられて、アフターダイブの飲み会まで、苦汁を飲む一日が続く。

 見られた者と、見られなかった者の表情の差があからさまで、気の小さい自分としては、「あんなに自慢げに話さなければいいのに」と内心ヒヤヒヤしてることもある。

 かくいう自分はというと、実はほぼ毎回、ペリリューの取材ではバショウカジキを目撃したり、撮影したりしている。これは相当にラッキーなことで、「越智さんが取材に来るとバショウカジキに会える」とダイバー仲間の間で噂になるくらいだ。

 実際、皆がマクロ撮影に夢中になっているときに、なんとな〜く、中層に一人プラプラ泳ぎ出たときなどに、真後ろから接近してきて、驚いたり、6〜7匹の群れに遭遇したりしたこともある。何度通っても、一度も見られていないダイバーもいるので、この遭遇率は相当に高いらしい。

 さて、サブタイトルに「期間限定、群れBIG5改め、6?7?」と書いたのは、Vol3にも書いたように、パラオでは期間限定(ほとんどが交尾産卵目的)で相当数群れる魚が多く、その生態もかなりリサーチが進んでいる。

 以前にペリリューから見に行きやすい期間限定、群れBIG5をWEB−LUEで紹介したことがあるが、その後のリサーチも進み、BIG5ではおさまりきらなくなってきていた。

 BIG5とは、アフリカでゲームハンティングの時の大物、ライオン、ゾウ、バファロー、サイ、ヒョウを意味する。

 前は、ペリリューコーナーのロウニンアジ(満月周り)、ペリリューカットのバラフエダイ(満月周り)、イエローウォールのイレズミフエダイ(2、3、4月ごろの新月前)、それに、ブルーコーナーやニュードロップオフのミヤコテングハギ(1月、2月、3月の新月周り)、ブルーコーナー西端に群れるツノダシ(1月、2月の満月周り限定)を取材して紹介した。

 しかし、一昨年くらいに、同じく、リサーチに力を入れている、ブルーマーリンという日系のダイビングサービスが、ウーロンチャネルという、ペリリューからは少し離れたエリアで、カンムリブダイの大産卵を発見した。

 それを是非WEB−LUE の取材で紹介して欲しいということになり、取材に訪れた。カンムリブダイは、日本では乱獲されて、絶滅危惧種に指定されている魚。体長は最大で130cm、体重75kgに達する。それが、1000匹以上群れて産卵を行うのだから、壮観だ。

 実は、ペリリューでの取材は、他の水中カメラマンはほとんど撮影で足を踏み入れたことがない。長年一緒に潜り込んでいるからこそ、お互い信頼して撮影できる環境を創り出せていると感じている。それに、イレズミフエダイの大産卵は、WEB−LUEロケ中に発見した。

 カンムリブダイの取材も、WEB−LUEで一番最初に依頼を受けたりと、海の新情報の紹介には、一目置かれた存在になっていると多少は思っている。

 取材後、イレズミフエダイの産卵も、カンムリブダイの産卵もNHKが入って取材したくらいに、珍しいものだった。

 そして今現在進めているのが、マンタが捕食のために50匹も群れるという場所のリサーチ。2012年の4月に取材に行く予定なので、成功したら、またここで紹介しようと思う。

取材協力:

「Day Dream Peleliu Station(http://www.daydream-dive.com/peleliu/index.html)」

「Blue Marlin(http://www.meluis.com/)」

表紙画像

海からの手紙

著者:越智 隆治

出版社:青菁社フォトグラフィックシリーズ 価格:¥ 1,680

表紙画像

クジラ! 大写真集

著者:越智 隆治

出版社:二見書房 価格:¥ 2,835

プロフィール

越智 隆治(おち・たかじ)

水中写真家 (株)United Oceans 代表。65年、神奈川県生まれ、千葉県浦安市在住。98年に新聞社写真記者から独立後、国内外のダイビング雑誌で活動。主にイルカやクジラ、アシカなどの大型の海洋ほ乳類をテーマに、世界各国の海で撮影を行っている。05年より、アンダーウォーターウエッブマガジン、WEB-LUE主催。個人のHP、INTO THE BLUEでは、海洋ほ乳類などと泳ぐ、スペシャルトリップを企画。ミクロネシア、ヤップ州観光局日本PR担当。特定非営利活動法人OWS理事。著書多数

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