文:ふくだあかり
2009年8月4日11時47分
今回は、南国沖縄を代表する釣りのひとつパヤオ釣りに挑戦した。
7月中旬、那覇空港に降り立つと、すでに梅雨は明け、真っ青な空に真夏の太陽が輝いていた。
沖縄県金武市の浜田漁港から、遊漁船「南丸」に乗船。これぞ沖縄の漁師という雰囲気のちゃきちゃきの海人(ウミンチュ)、新里船長が今回の案内人だ。
船に揺られること1時間半。ようやく目的のパヤオのある海域に到着した。
パヤオとは、マグロなど黒潮に乗ってくる回遊性魚を集めるために人工的に作った浮魚礁のことをいう。構造はシンプルで、海面に浮かぶブイのような浮きから、一本の太くて長いロープを海底に延ばしただけの魚礁だ。陸地から40〜50キロ離れた水深1千メートル以上の沖合に点在している。
こんなロープだけの魚礁になぜたくさんの魚が集まるのか?
ロープに付着した海藻を食べに小魚が集まり、その小魚を食べにさらに大きな魚が集まる、という説があるようだが、実は明確な理由は解明されていないというから不思議だ。
船長の合図でパヤオ釣りが始まった。
まずは、120グラムの「ジグ」というルアーで、水深100メートルから50メートル付近まで思い切りしゃくる。何度も繰り返すが、まったくアタリがない。そんな私のすぐ隣にいた客が「エビング」という仕掛けでツムブリを釣り上げた。
そこで私も初めてのエビングに挑戦することに。ジグを外して、40号の鋳込テンビンにハリス2ヒロを取り、針はムツバリ、その先に固めのワームをチョン掛けした。これをジグと同様に水深100メートルぐらいまで落として、これまた勢いよくしゃくる……するとジグにはまったく反応しなかった魚があっさり食いついてきた。
ガツンとしたアタリに大きくアワセを入れ、リールのハンドルを巻くと、大型の青物の強烈な引きが一気に腕に伝わってきた。
強めに締めたドラグもギリギリ鳴って糸が出て行く、最高の感覚を味わうことが出来た。
途中、突然のスコールに何度か遭遇して、全身ビショビショになりながらもエビングを楽しんでいると、今度はトップ(海面付近)に魚の反応が出た!
すかさずエビングから「ポッパー」というトップ用のルアーに切り替え、思い切り遠くに投げ、着水と同時にロッドでアクションを入れて魚にアピールをした。
何度かキャストすると、ルアーの後ろからドカッと、魚が食らい付いてきた。惜しくも釣り上げることはできなかったが、トップでの釣りは魚がルアーに食らいつく瞬間を目で見ることができるからたまらない。
そんな楽しい一日を過ごし、釣果はマグロ5本、カツオ2本だった。
パヤオでの釣果としては少し物足りなかったが、次の目標が残せた充実した釣りができた。