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隅田川支流で巨大魚を釣った

文:ふくだあかり

2009年9月29日13時2分

写真:巨大な魚の引きは最高!拡大巨大な魚の引きは最高!

写真:でっぷりと太った魚体と拡大でっぷりと太った魚体と

写真:丸々と太ったきれいな体拡大丸々と太ったきれいな体

写真:胴の太さは同じぐらい拡大胴の太さは同じぐらい

 巨大な鯉が生息している、といううわさを聞きつけて私が向かったのは深夜の東京都内、隅田川の支流。川の向こう岸には高速道路や建設中のビルが並び、夜景の美しさは、釣り場というよりデートにぴったりな雰囲気の広場で、不釣り合いなごっついタックルを片手に鯉釣りを始めた。

 えさはシンプルにパン。魚は臭覚が人間の10倍もあると言われ、バターのにおいが強いものがいい。片手でパンを一口大にちぎりながら足元近くにまきえさをしていく。あまり広範囲にまくと魚が散ってしまうから、ひと握り分を1カ所に決めて集中的にまいていく。

 パンをまくこと1時間半……。

 集まって来る魚は、ボラの幼魚のイナッコばかりで本命の巨大鯉の気配はない。何度か鯉かと思われる魚影が見えたが、警戒心が強くすぐに居なくなってしまう。

 鯉は上からの攻撃を警戒して、人影などに敏感に反応する。だから水面に影を落とさないように低い姿勢を保った。そして、えさのパンをまく以外は、体を動かさないように神経を使いながら巨大鯉が現れるのをひたすら待った。

 午前1時。時間ばかりが刻々と経過し、体に当たる風も冷たく感じられ、そろそろ終わりにしようと思いながら最後のパンを投げたその時……。

 突然、大物を思わせる魚影が見えた。警戒心が強そうなエサの食べ方だ。巨大鯉かもしれない…。ラストチャンスという思いで、すかさず仕掛けを投入した。

 仕掛けはいたってシンプルで、パンに似せたウキの先に2本の釣り針。針にパンのみみを付けただけの原始的だが、とても合理的な仕掛けだ。さおは大鯉用の頑丈なロッドにPEは3号。

 いつ大物が掛かっても平気なように、ゆっくりと姿勢を整えながら仕掛けに集中する。すると、その時、水面に大きな波紋が広がり、同時にウキが水中に引き込まれた。そこで一気にさお先を持ち上げアワセを入れると、両腕にずっしりと重みを感じた。

 「よし!かかった!」

 最初は、それほど大きくないと思ったが、水面下に見えたのは超巨大魚だった。背びれを水面に出し、右へ左へ下へと逃げ回る。なんとかキャッチしようとするが、ギチギチに締めてあるドラグも難なく引っ張られ、なかなか岸に寄せることができない。

 さおが折れるか、糸が切れるか…。巨大魚との攻防の末、上がってきたのは、なんと10キロを超すソウギョだった。

 魚の重量が10キロまで計測できるフィッシュグリップが振り切れてしまうほどの大きさだ。全長は108センチ。私の胴回りと大差ない太さの立派な魚体だった。

 本命の大鯉とはいかなかったが、久しぶりに巨大魚とのやり取りを楽しむことができた。

プロフィール

ふくだあかり

アングラー(釣り師)。81年、茨城県生まれ。168センチ、O型 趣味:釣りと利き酒 特技:キャラクターを描くこと。

07年、趣味で釣りを始める。これまでに行った釣り場は数知れず、今でも週に1〜2回のペースで、全国各地の海、山、川に行っている。08年には、1年間に100種類の魚を釣る目標を達成。釣りブログ「百目」が、釣りファンから注目を集めている。本エッセーでは、女性の視点から魚釣りの魅力をご紹介します。

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