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ひとえきがたり

妖怪駅長と犬助役が歓迎 大歩危駅(徳島県、JR土讃線)

2011年9月20日

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写真:乗客を迎える駅長の「児啼爺」と助役の「虎太朗」。奥に見えるのが案内所だ=塚原紘撮影拡大乗客を迎える駅長の「児啼爺」と助役の「虎太朗」。奥に見えるのが案内所だ=塚原紘撮影

写真:古民家「●庵(ちいおり、●は竹かんむりに虎)」拡大古民家「●庵(ちいおり、●は竹かんむりに虎)」

写真:大歩危駅(徳島県、JR土讃線)拡大大歩危駅(徳島県、JR土讃線)

 四国の秘境・祖谷渓(いやけい)への玄関口、大歩危(おおぼけ)駅。急峻(きゅうしゅん)な山に囲まれ、線路沿いにはエメラルド色の吉野川が悠々と流れる。特急列車が到着すると、「助役」がしっぽを振って乗客を出迎えた。虎太朗(こたろう)、2歳のシバイヌ。「駅長」を務める木彫りの「児啼爺(こなきじじい)」が笑顔でその様子を見守る。

 昨秋、駅の無人化を機に近隣のまちおこし6団体が「JR大歩危駅活性化協議会」を結成した。今春、住民72人の手で駅事務室を観光案内所に改装。地元ゆかりの妖怪を駅長に、夏には近所の人が飼う犬を助役に任命した。「特急も止まる駅なのに出迎える人がいないなんて、と考えた」と副会長の大平克之さん(56)。

 1935年に前身の阿波赤野駅が開業して以来、「駅は地元にとって家族のような存在だった」と会員の山口由紀子さん(69)は言う。みんなで周辺を掃除し、豪雨で列車が止まれば夜中でも駆けつけた。沿線に桜も植えた。「山奥の人は自立心が強いの。なんでも自分たちでせないかんから」。案内所の管理や利用者への応対も、できる人が自発的に担う。

 73年から近くに古民家を持つ米国の東洋文化研究者アレックス・カーさん(59)も会員だ。自らが魅せられた祖谷の自然美を著書やホームページで発信する。その影響もあってか外国人旅行者が増えている。「駅は旅の待合室。自由に使えるパソコンや無線LANを導入しました」

 山里を彩る紅葉の季節はこれから。会は新たな企画を思案中だ。(杉田裕実)

■沿線ぶらり

 JR土讃線は、多度津駅(香川県多度津町)と窪川駅(高知県四万十町)を結ぶ198.7キロ。

 虎太朗 の「出勤」は[日]の[前]9〜10時。大歩危駅から徒歩約20分の 妖怪屋敷 では、住民手作りの人形で地元の妖怪伝説を紹介。吉野川の 観光遊覧船乗り場 へはさらに徒歩10分ほど。往復約30分で奇岩がそそり立つ渓谷美を堪能できる。

 秘境でスリルを味わうなら、同駅から車で約20分、国の重要有形民俗文化財 祖谷のかずら橋 へ。車でさらに1時間ほどで 奥祖谷二重かずら橋 も。電話三好市観光案内所(0120・404344)。

■興味津々

 カーさんの古民家「●庵(ちいおり、●は竹かんむりに虎)」は見学や宿泊体験が可能(要予約、11月〜来年3月は閉鎖)。近くの落合集落でも来春以降、古民家を改修した宿泊施設8棟が順次オープン予定だ。カーさんがプロデュースを担当する。電話は●庵トラスト(0883・88・5290)。

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