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ひとえきがたり

背筋が伸びる居心地のよさ 中村駅(高知県、土佐くろしお鉄道中村線)

2011年10月4日

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写真:新しい公共空間の形を示したリノベーションは、グッドデザイン特別賞など多くの賞を受けた=渡辺瑞男撮影拡大新しい公共空間の形を示したリノベーションは、グッドデザイン特別賞など多くの賞を受けた=渡辺瑞男撮影

写真:中村駅前の「駅弁四万十」拡大中村駅前の「駅弁四万十」

写真:中村駅(高知県、土佐くろしお鉄道)拡大中村駅(高知県、土佐くろしお鉄道)

 自動ドアが開くと、ほのかな木の香りが鼻をくすぐった。四万十(しまんと)産のヒノキがぜいたくに使われた、明るくモダンな雰囲気の待合室。旅行客やお遍路さん、そして夕方になると近隣の学校に通う中高生たちが続々と集まりだす。

 四万十川観光の玄関口である中村駅。ローカル線の常で、30分以上の列車待ちはごく普通のことだ。だが以前の待合室は床のタイルが黒ずみ、ベンチの下に飲み残しのジュース缶が置かれるような、快適とはほど遠い場所だった。それが昨年3月、建物を改修し再生させる「リノベーション」で生まれ変わった。

 手がけたのは、東京の若手建築家グループ「nextstations(ネクストステーションズ)」の3人。「ローカル線の駅だからできる、利用者をもてなすデザインを追求した」とメンバーの一人、川西康之さん(35)。毎日駅を使う生徒のため、勉強机をイメージしたカウンターをしつらえた。

 「試験前は勉強できるし、時間が有効に使える」「放課後に座ってゆっくりできるのがここ」。カウンターに並んでいた県立中村高校2年の佐藤千晶さん(17)、上岡茉由さん(17)は待合室に自然と足が向く理由をそう話す。

 床には今やゴミ一つない。「いいものだからこそ、駅員にも乗客にも大切に使おうという意識が生まれた」と小松政文駅長(54)。「デザインが心地よい緊張感を生む」と信じた川西さんたちの思いは、ちゃんと届いている。(伊東絵美)

■沿線ぶらり

 土佐くろしお鉄道中村線は窪川駅(高知県四万十町)と中村駅(同県四万十市)を15駅で結ぶ43キロ。山あいを進む区間もあれば、太平洋を一望する海岸線に沿った区間もあり、変化に富んだ風景が楽しめる。

 中村駅から清流・四万十川の観光は自然を満喫できるレンタサイクルが便利。駅から300メートルほどの四万十市観光協会(電話0880・35・4171)で貸し出している。5時間600円から。

 四万十川は増水時に水没する欄干のない沈下橋が名物。駅からもっとも近い佐田沈下橋までは約8キロ、自転車で約50分。

■興味津々

 中村駅前のうなぎ専門店「ひら富」(電話0880・34・0396)の駅弁四万十(950円)は、お客からの要望で6年ほど前に誕生。うなぎのかば焼きに川エビ、ゴリのつくだ煮と、四万十川の幸がたっぷり。注文して約5分で作りたてが買える。事前予約も可。

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