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2011年10月25日
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ひとえきがたり

駅と城がこんなに近い理由 福山駅(広島県、JR山陽新幹線)

写真:山陽新幹線の福山駅と福山城を一望。福山ニューキャッスルホテルから=塚原紘撮影拡大山陽新幹線の福山駅と福山城を一望。福山ニューキャッスルホテルから=塚原紘撮影

写真:山陽本線開業120周年記念入場券拡大山陽本線開業120周年記念入場券

地図:福山駅(広島県、山陽新幹線)拡大福山駅(広島県、山陽新幹線)

 「電車から降りるとたいていの方はお城を撮影されますね」と福山駅の売店に勤めて40年という三浦澄子さん(58)。乗降客から城についての質問は毎日あり、「週末は忙しいくらい」と笑う。

 福山駅は全国でも珍しい3層構造の駅舎で、3階の山陽新幹線上りホームからは、目と同じ高さで北側に天守閣や伏見櫓(やぐら)が見え、人々の目を引きつける。一見すると「駅と城は隣同士」だが、正解は「駅が城の敷地に立っている」だ。

 福山城は、1622年に徳川家康のいとこの水野勝成が築城。当時の技術の粋を集めた西国鎮守の城だったが、明治になり、廃城令のもと城も敷地も払い下げに。山陽線の計画が持ち上がると線路を最短ルートで敷くには内堀が妥当とされ、三之丸あたりに福山駅ができた。

 城の北側を迂回(うかい)する案もあった。それに対して、上京中の学生らが帰郷して「町の発展には一日も早く鉄道を建設すべきだ」と声をあげたと伝わる。2008年、駅南口整備の発掘調査で、舟が瀬戸内海の入り江から水路を通り、城の敷地内に着岸できる「舟入」の遺構が発見されると、保存を求めて10万人以上が署名した。「福山をよくしたい」という地元の思いは、今も昔も変わらない。

 「駅の屋根を透明な素材にすれば、下りホームからも城が見やすくなるのでは」と話すのは、「ふくやまアート・ウォーク」などを手掛ける福山電業社長の島田斉さん(56)。町を面白くしたいと考えるひとりだ。「駅から見える城が福山の玄関口ですから。地元の人にとっては心のよりどころです」(上林千紗子)

■沿線ぶらり

 JR山陽新幹線は、新大阪駅(大阪市)から博多駅(福岡市)を結ぶ644キロ。列車は、東海道、九州各新幹線へ乗り入れも。

 福山城は、駅北口から徒歩5分。天守閣は戦災で焼失したが戦後に外観を再建。現在は中に博物館がある。200円(高校生以下無料)。[前]9時〜[後]5時。[月]休み。電話084・922・2117

 広島県福山市は「ばらのまち」として知られる。駅から歩いて約20分のばら公園で、29日[土]と30日[日]の[前]9時〜[後]4時、「秋のばら展」を開催。「ばらコンテスト」などの展示、栽培講習会なども。無料。電話事務局(084・928・1051)。

■興味津々

 山陽本線開業120周年記念入場券(1960円)を発売中。専用台紙に120周年を迎えた13駅に三石駅を加えた計14駅の入場券が並ぶ。販売は福山駅、岡山駅など14駅。限定5千セット。電話JR西日本岡山支社(086・225・1170)。

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