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2011年11月15日
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ひとえきがたり

別世界で永遠の愛を誓う 奥大井湖上駅(静岡県、大井川鉄道井川線)

写真:ホームが右端の橋脚上まで延び、まさに湖上駅。左側の橋は歩いて渡れる。湖水は9月の台風以来、濁ったままだ=上田頴人撮影拡大ホームが右端の橋脚上まで延び、まさに湖上駅。左側の橋は歩いて渡れる。湖水は9月の台風以来、濁ったままだ=上田頴人撮影

写真:大井川鉄道大井川本線のSL=静岡県の千頭駅拡大大井川鉄道大井川本線のSL=静岡県の千頭駅

写真:奥大井湖上駅(静岡県、大井川鉄道井川線)拡大奥大井湖上駅(静岡県、大井川鉄道井川線)

 山々に囲まれた湖を赤い鉄橋が横切る。湖底から高さ約70メートル。中ほどにぽつんとあるのが奥大井湖上駅だ。もともとはダムを造る資材を運ぶため敷かれた鉄路。1990年に新ダム建設で一部が経路変更され、岬の突端に駅が誕生した。

 近くに集落もなく、乗り降りは行楽客ぐらい。その無人駅に80人もの人が集まったのは昨年10月2日。全員で臨時列車を待ち受けた。

 午前10時38分。列車から降り立ったのはウエディングドレス姿の保育士、石神香織さん(34)と大井川鉄道の制服を着た会社員、石神文隆さん(36)。13年の交際の末の結婚式が、駅で開かれたのだ。

 文隆さんは駅から列車で約3時間の藤枝市在住。高校時代に沿線を旅し、車窓の風景のとりこになった。何度も通い、顔見知りになった車掌さんの最終乗務に花束を贈ったり、香織さんと列車デートしたり。思い出の地で、挙式したいカップルを募集していると知り、応募した。

 主催は川根本町まちづくり観光協会。3年前、駅がテレビで紹介されると各地から問い合わせが相次いだことから、「この風景を広く知ってもらえば観光客がもっと増えるのでは」と、マスメディアも注目しそうな結婚式を企画した。

 立会人は町長らが務め、式場作りに町の有志も参加。町を挙げての式はテレビや新聞に取り上げられた。訪れる人は少しずつ増えている。いま来春の挙式希望者を募集中だ。(牧野祥)

■沿線ぶらり

 大井川鉄道井川線は千頭駅(静岡県川根本町)から井川駅(静岡市)までの25.5キロ。途中、機関車の歯車とレールの歯をかみ合わせて急勾配を上り下りする「アプト式」の区間がある。

 寸又峡(すまたきょう)温泉は千頭駅からバスで40分。「湯楽戯(ゆらぎ)手形」(1000円)を買うと、町営露天風呂美女づくりの湯のほか、3軒の温泉宿で立ち寄り湯が楽しめる。

 奥大井湖上駅から2駅隣の尾盛(おもり)駅とその先の閑蔵(かんぞう)駅間の関の沢橋梁(きょうりょう)は川底から高さ約71メートル。井川行きは、橋の上で1分ほど停車する。電話川根本町まちづくり観光協会(0547・59・2746)。

■興味津々

 千頭(せんず)駅で接続する大井川本線では、新金谷駅までほぼ毎日1往復、SLかわね路号が走っている。11月は1日2往復。12月8日[木]〜3月8日[木]は、[火][木]運休(1月3、5日を除く)。要予約。電話大井川鉄道(0547・45・4112)。

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