あなたの周りに、恵比須像はありますか――。そう問われて「ありますよ、あそこに」と即答できそうなのは、佐賀市民だけかもしれない。市内に808体。今もその数は増えている。
JR佐賀駅の1、2番線ホームにも1体鎮座している。市民でつくる「恵比須DEまちづくりネットワーク」が「市の玄関口にもぜひ」と熱望し、2004年に誕生した。「佐賀ん町の『世間遺産』を知ってほしくて」と語る代表の村井禮仁さん(78)もえびす顔。当時の駅長が本社の了解を得ずに設置を快諾し、大目玉を食らったという逸話も残る。
多くに名前があるのも特色で、駅の像は「旅立ち恵比須」と呼ばれる。台座を入れた高さは約180センチ。隣のホームからも表情がわかるほどの笑顔に、ぼってりした大きな耳たぶ。列車を降りた乗客が、恵比須に視線を残しながら足早に階段を目指していく。わざわざやってきたとおぼしきご婦人2人は、宝珠をなで、腰を落として手を合わせた。
駅南口を出てすぐの宝くじ売り場横にも1体ある。こちらは「よかよかえびす」だ。御利益があるのだろうか、像の後ろには高額当選を伝えるプレートが並んでいる。
進学に就職、転勤……。別れの季節がまたやってくる。平成生まれの旅立ち恵比須は、様々な人の様々な門出を祝い、旅の安全をこれからも願ってくれることだろう。(塩田麻衣子)
JR長崎線は鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)と長崎駅(長崎市)を結ぶ148.8キロ。
佐賀市内の恵比須像を訪ねるには、スタンプラリーでもあるさが恵比須八十八ケ所巡りの通い帳が便利。1番目が旅立ち恵比須。通い帳はホームにあがる入場券代わりになり、駅構内の観光案内所で入手できる。大隈重信旧宅は国の史跡で、かやぶき屋根を残す江戸後期の武家屋敷。大隈記念館の企画展に合わせて、2月18日[土]〜3月25日[日]の土日祝に限り内部を特別に一般公開する。電話市観光振興課(0952・40・7110)。
佐賀市出身のイラストレーター、326(ミツル)さんによるサガポストカード。県特産の佐賀牛やミカンなどを描いた。佐賀弁のメッセージが楽しい。全6種類。157円。駅構内の佐賀デイトスや通信販売で購入できる。電話326ショップ(0952・60・7010)。
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