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2012年3月6日
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ひとえきがたり

「まつ子の部屋」へようこそ 矢島駅(秋田県、由利高原鉄道鳥海山ろく線)

写真:台湾から来た団体客と記念撮影する佐藤まつ子さん(右から3人目)。かすりの着物の「おばこ姿」と陽気さで人気者だった=松岡誠太朗撮影拡大台湾から来た団体客と記念撮影する佐藤まつ子さん(右から3人目)。かすりの着物の「おばこ姿」と陽気さで人気者だった=松岡誠太朗撮影

写真:おばこ箱拡大おばこ箱

地図:  拡大  

 秋田の駅に「まつ子の部屋」なる場所があるらしい。主は、1文字違いのあの方に負けず劣らずおしゃべりが大好き。パワフルな人柄に魅了されたファンが全国からやってくる。どんな人なのか、会いに行ってみると――。

 「こんにちはー!」。歯切れのいい声とピースサインで迎えてくれたその人は、秋田県由利本荘市の矢島(やしま)駅で売店を営む佐藤まつ子さん(64)。間髪入れず「まあ座んなさいよ。コーヒー飲むか?それとも桜茶入れるか?」ときた。

 矢島駅は「おばこ号」の愛称で親しまれるローカル列車の終着駅。木造駅舎の一角に、くだんの名前で呼ばれるまつ子さんの売店がある。行き交う人々を休憩スペースに招き入れ、もてなして10年。時に人生相談や失恋話に親身に耳を傾ける。就職の面接を控えた高校生には「へらへらしてたらダメ。しっかりしゃべれ」とぴしゃり。「性格や職業まで当てるし、占師みたい」とは、由利高原鉄道のアテンダント・土田香保里さん(25)の評だ。今ではボランティアで同社の応援大使も務め、団体客に車内で桜茶をふるまったり大阪で鉄道をPRしたりと、駅を飛び出して活躍する。

 「こんなに遠い場所までわざわざ来てくれるなんてすごいことでしょ。だから一人一人が大事なの」。いつも心にあるのは、日々の小さな出会いを楽しむ気持ち。夢は120歳まで「まつ子の部屋」でみんなを迎えることだ。(伊東絵美)

■沿線ぶらり

 由利高原鉄道鳥海山ろく線は由利本荘市の羽後本荘駅と矢島駅を結ぶ23キロ。秋田・山形県境にそびえる名峰・鳥海山を仰ぎながら、子吉川に沿って田園地帯を走る。午前中の1往復にはアテンダントが乗務。「おばこ号」のおばことは、若い娘のこと。

 同市では3月9日[金]から、各地の商店や個人宅に伝わるおひなさまを展示する「由利本荘ひな街道」を開催。これに合わせ、車内をひな祭り風に飾り付けたおひなっこ列車を20日[火][祝]まで1日1往復運行する。電話由利高原鉄道(0184・56・2736)。

■興味津々

 まつ子さんが企画したおばこ箱(1000円)は、地元の特産品を詰め合わせた楽しい一品。中身はその時々で異なり、秋田銘菓のもろこしや「おばこドンパン手ぬぐい」などのほか、まつ子さん手製の漬物が入ることも。電話矢島駅売店(0184・55・4500)。

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