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2012年3月20日
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ひとえきがたり

駅長お手製 ふるさとの味 神戸駅(群馬県、わたらせ渓谷鉄道)

写真:ホームで列車を見送る金子昇さん=鈴木愛子撮影拡大ホームで列車を見送る金子昇さん=鈴木愛子撮影

写真:レストラン清流のやまと豚弁当拡大レストラン清流のやまと豚弁当

地図:  拡大  

 「これ食べてみて。今朝とれたばかりだから」。冷たい空っ風の赤城おろしが吹きつける群馬県みどり市の神戸駅で、金子昇さん(63)が自慢の野菜を客に勧める。楽しそうに話す帽子には「ふるさと駅長」の文字が光っていた。

 わたらせ渓谷鉄道は、国鉄足尾線を起源に、沿線自治体などが出資する第三セクターで運営されている。17駅中12ある無人駅には沿線住民から選ばれたふるさと駅長がいて、ボランティアで清掃や観光案内をする。金子さんはその一人だ。

 本業は農業。週末になると野菜や総菜を駅舎内の販売所やホームで売る。ササゲや自家製のさんしょうみそを使ったサトイモ田楽など、どれも素朴な味だ。「沿線には食べるところが少ないから助かるよ」とカメラを持った男性客。神戸駅では上下線がすれ違うため、列車が長いと11分停車する。その間に次々と声がかかり、息つく暇がない。

 金子さんの野菜は評判を呼び、一昨年と昨年、金子さんの農園でジャガイモやサツマイモ掘りをしたり近くの美術館を巡ったりするツアーが開かれた。「金子さんの野菜を食べたいと何度も足を運ぶ方もいらっしゃいます。ふるさとのように感じているのかもしれませんね」。企画した同社の高橋良枝さんがほほえむ。

 桜の花が咲く頃、神戸駅沿線では約300本のハナモモの花が咲き乱れる。「今年も忙しい時期がくるな」。ふるさと駅長の腕が鳴る。(永井美帆)

■沿線ぶらり

 わたらせ渓谷鉄道は桐生駅(群馬県桐生市)と間藤(まとう)駅(栃木県日光市)を結ぶ44.1キロ。

 草木湖のほとりにたたずむ富弘美術館(みどり市、電話0277・95・6333)は、神戸駅からバスで約10分。不慮の事故により手足の自由を失い、口で筆を取る同市出身の詩画作家・星野富弘さんが描く草木や花などの作品を展示している。四つ隣の水沼駅(桐生市)には水沼駅温泉センター(電話0277・96・2500)が併設。「かっぱ風呂」と名付けられた露天風呂からは、渡良瀬渓谷の清流を眺めることができる。

■興味津々

 神戸駅ホーム脇には東武特急「けごん」の旧車両を利用した列車のレストラン清流(電話0277・97・3681)がある。県産豚にしょうゆベースのタレをたっぷりかけたやまと豚弁当(1000円)が人気。駅名がプリントされた手ぬぐい付き。予約可。

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