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2012年4月10日
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ひとえきがたり

千客招く黒猫おさむ 那珂湊駅(茨城県、ひたちなか海浜鉄道湊線)

写真:ホームにたたずむおさむ。体毛が最近やや茶色っぽくなってきた=馬田広亘撮影拡大ホームにたたずむおさむ。体毛が最近やや茶色っぽくなってきた=馬田広亘撮影

写真:ケハ601拡大ケハ601

地図:  拡大  

 映画「フラガール」に登場する茨城県ひたちなか市の那珂湊駅へ、黒猫の「おさむ」は3年前の夏にふらりとやってきて、居着いてしまった。推定8、9歳。人間くさい名前は、1969〜70年の大ヒット曲「黒ネコのタンゴ」を歌った皆川おさむさんから拝借した。

 「だいぶ招き猫になってくれていると思います」と駅員兼世話係の藤田沙織さん(24)。鉄道雑誌で紹介され、注目を浴びるようになった。おさむに会うために、大阪からやってきた人もいる。イラスト入りトートバッグやストラップなど、おさむグッズも登場した。

 湊線は元々、地元の茨城交通が経営していたが、赤字続き。廃線も検討されたが、第三セクター運営で存続した。地域住民による「おらが湊鉄道応援団」ができたのは2007年。利用者を増やそうと商工会など地域の組織と提携し、「乗って残そう湊線」と呼びかけた。

 乗客数が伸びていた矢先に、東日本大震災が起きた。駅舎にひびが入り、レールは全線にわたって変形した。「再起できるのかと思うほどズタズタにやられました」と団長の佐藤彦三郎さん(72)。

 「おさむ君、大丈夫ですか」。皆川さんが、震災の約3週間後に電話をかけてきた。行政の支援もあって、湊線は4カ月で全線復旧。周囲の心配や奮闘を知ってか知らずか、おさむは妹分の「ミニさむ」を招き入れ、日々2匹で駅を「巡回」している。(神谷実里)

■沿線ぶらり

 ひたちなか海浜鉄道湊線は茨城県ひたちなか市の勝田駅と阿字ケ浦駅を結ぶ14.3キロ。

 29日[日][祝]、[前]10時〜[後]4時、同駅をメーン会場に湊線開業99周年記念祭を開催。旧車両を連結するイベントや、おさむとミニさむグッズ、地元特産品の販売、飲食コーナーなどがある。

 太平洋を望む湊公園は駅から徒歩5分。徳川光圀が1698年に建てた、歴代藩主が宴会や詩歌の会を催したという別邸●賓閣(いひんかく、●は夕の下に寅)の跡地がある。兵庫県の須磨明石から移植したという樹齢300年の松も。電話市観光振興課(029・273・0111)。

■興味津々

 那珂湊駅構内で、1960〜88年に走っていた日本初のステンレス気動車ケハ601を公開中。内部見学は[日][後]1時〜4時。湊線に関する資料や写真を展示。HOゲージ模型の実走も。電話おらが湊鉄道応援団(029・263・7811)。

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