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2012年4月24日
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ひとえきがたり

解体惜しむ17歳「鉄ちゃん」 折尾駅(福岡県・JR鹿児島線・筑豊線)

写真:鹿児島線と筑豊線のホームをつなぐ赤れんが造りの通路。神凌太さん(左)が手にするのは自作の時刻表ファイルだ=比田勝大直撮影拡大鹿児島線と筑豊線のホームをつなぐ赤れんが造りの通路。神凌太さん(左)が手にするのは自作の時刻表ファイルだ=比田勝大直撮影

写真:木製の円形ベンチ拡大木製の円形ベンチ

写真:  拡大  

 北九州市にあるJR折尾駅は、周辺整備に合わせ、年内に解体が始まる。開業は1891年。二つの路線が上下で交わる、日本最古の立体交差駅として知られる。改築時の大正期の面影を残す駅舎の取り壊しに保存や活用を求める多くの声と署名が集まったが、願いは届かなかった。駅は全線高架化され、新駅舎は2017年、今より北側に完成する予定だ。

 解体を惜しむ高校3年生の神(じん)凌太さん(17)は、折尾駅を「家の次に長く過ごした場所」という「鉄ちゃん」だ。初めて訪れたのは小学2年生の頃。テレビで見た駅弁売りのおじさんに会いに行った。

 4年生になると、三つ隣の駅から、小学校を卒業するまで毎週末通った。売店の女性はその頃の神さんを覚えている。「駅弁売りのおじさんの後ろをちょろちょろついていってねえ」。顔なじみになった駅員と一緒に不案内な乗客の手助けをしたり、駅弁運びを手伝ったり。朝から夕方までいることも多かった。

 折尾駅の魅力は「構造が複雑なところ」と神さん。明治期に造られた赤れんがの橋台や連絡通路、化粧柱に木製の円形ベンチ、しんちゅうの手すり、御影石でできた階段と、当時をしのばせるものが、入り組んだ構内のあちこちにある。

 仲良しだった駅弁売りのおじさんは体調を崩し、3月で退職した。神さんにとっても、就職先を決める節目の年になる。目指すのは、列車の運転士だ。(牧野祥)

■沿線ぶらり

 折尾駅では、門司港駅(北九州市)が起点のJR鹿児島線と、若松駅(同)と原田駅(福岡県筑紫野市)を結ぶJR筑豊線が交わる。

 折尾駅構内の駅弁・立ち食いうどんの店「東筑軒」は、1921年から作り続けるかしわめしが名物。駅前には筑豊の石炭を運んだ堀川運河が流れ、九州電気軌道(現西鉄)のれんが造り高架橋が3連残る。アーチ内部は「ねじりまんぽ」と呼ばれる、れんがを斜めに積む工法で造られた。ハローデイ共立大前店は折尾駅を内装のモチーフにしたスーパーで、駅から徒歩15分。

■興味津々

 化粧柱と一体になった木製の円形ベンチ。東口のコンコースに二つあったが、現在ベンチとして使われているのは一つ。ベンチや棟飾りといった現駅舎のシンボル的な部材を新駅舎に活用し、外観を再現するよう求める要望が出ている。

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