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2012年5月22日
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ひとえきがたり

駒のまち いでよプロ棋士 天童駅(山形県、JR奥羽線)

写真:天童駅前広場で詰将棋に興じる「天童少年少女将棋教室」の子どもたち。地面に描かれた詰将棋は市内19カ所にある=鈴木愛子撮影拡大天童駅前広場で詰将棋に興じる「天童少年少女将棋教室」の子どもたち。地面に描かれた詰将棋は市内19カ所にある=鈴木愛子撮影

写真:天童市将棋資料館拡大天童市将棋資料館

図:  拡大  

 「王手!」「参りました」

 JR天童駅構内の一室で、20人ほどの小中学生が真剣な表情で将棋盤と向き合い、時おり元気な声を響かせている。

 山形県天童市は、将棋駒作りで名高い。江戸時代に武士の内職として始まり、今も国内で生産される駒の9割以上を占める。1992年に新しくなった駅舎は、随所に将棋の駒がデザインされ、1階部分に市が開設した「天童市将棋交流室」がある。子ども向けの将棋教室は、ここで週1回開かれている。

 「将棋駒のまち」ながら、「天童からプロ棋士がいまだ出ていないんです」と、日本将棋連盟天童支部の大泉義美さん(66)が嘆く。大泉さんは、将棋教室で教える5人のうちの1人。夢は「教え子の中からプロ棋士輩出」だが、礼儀作法も厳しく説いている。子どもたちの指す音に混じって「背筋を伸ばして」「返事は大きく」と声が飛ぶ。

 子どもたちが指す教室の後ろで、近くの住民同士が対局していた。天童駅は山形新幹線の停車駅ということもあり、遠くから将棋を指しに来る人もいる。ゴールデンウイーク中も「将棋ファン憧れの地ですからね」と神奈川県から来た家族連れが教室をのぞいていた。駅は、将棋盤を囲んだ交流の場にもなっている。

 「ようやく県大会で大人相手に結果を残せる子が出てきた」と大泉さんはうれしそうだ。天童出のプロ誕生は、そう遠くないかも知れない。(永井美帆)

■沿線ぶらり

 JR奥羽線は福島駅(福島市)と青森駅(青森市)との間を結ぶ484.5キロ。

 市内の中心に位置する天童公園へは、天童駅から徒歩30分。園内の舞鶴山山頂では毎年4月、甲冑(かっちゅう)や着物姿の武者が将棋の駒になり、プロ棋士の指示で盤上を動いて対局する「人間将棋」が行われる。織田信長をまつる建勲神社も園内にあり、約1万本のツツジが見ごろを迎えている。ツツジのライトアップなどを楽しめる「天童つつじまつり」は20日[日]まで。問い合わせは市商工観光課(023・654・1111)。

■興味津々

 天童市将棋交流室の隣には天童市将棋資料館(電話023・653・1690)がある。将棋の原型とされる古代インドのゲーム「チャトランガ」や世界各国のチェス、現代の名工作の将棋駒などを展示。駒の原木や製作工程なども見られる。300円。[水]休み。

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