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2012年6月5日
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ひとえきがたり

「夢の国行き」ブルトレ再出発 多良木駅(熊本県、くま川鉄道)

写真:夜の「ブルートレインたらぎ」。手前を車のヘッドライトが流れていく。左奥が多良木駅駅舎=上田頴人撮影拡大夜の「ブルートレインたらぎ」。手前を車のヘッドライトが流れていく。左奥が多良木駅駅舎=上田頴人撮影

写真:歌声喫茶「風の谷」拡大歌声喫茶「風の谷」

地図:  拡大  

 清流・球磨(くま)川に沿って、新緑があふれる熊本県南部の人吉盆地をくま川鉄道に乗って東に進む。多良木駅ホームの手前に、ブルートレインが見えた。2009年まで東京―熊本間を結んでいた寝台特急「はやぶさ」だ。廃止後、客車3両を同県多良木町が買い取り、2年ほど前、町営の簡易宿泊施設「ブルートレインたらぎ」として再出発させた。

 フロントで「たらぎ発・夢の国行き」という、切符を模した宿泊券を受け取る。客室は鍵付きの個室とカーテンで仕切られた開放型の2種類で、料金はどちらも大人1泊3千円だ。

 夜、共有スペースに宿泊客が集まってきた。8時過ぎに夕食とビールを手に入ってきたのは40代の男性3人組。一人旅が好きで、宿で何度か顔を合わせるうちに仲良くなったという。かつては、はやぶさでも旅をした。鹿児島から来た男性が「端の席が好きで、いつもその席を予約した。就職試験でも乗ったよ」と話し出すと、東京に住むもう1人が「僕は修学旅行で乗ったな」と言い、それぞれに当時を懐かしんだ。

 以前、駅周辺にはビジネスホテル1軒と数軒の民宿があるだけだった。より多くの人に町に泊まってもらおうと考えて導入したブルートレインだが、週末や連休は1日20〜40人が訪れるものの、平日は3〜4人。「稼働率を上げるのが当面の課題です」と、開業時から管理を任されてきた小池清文さん(51)が話す。

 この4月、これまでの町直営から、小池さんを中心に民間で運営することになった。「駅って、人やものの出入りを介する場所だと思うんです」。自由度が上がった分、やりたいことは盛りだくさん。小池さんがブルートレインと共に再び走り出す。(岩本恵美)

■沿線ぶらり

 くま川鉄道は人吉温泉駅(熊本県人吉市)と湯前(ゆのまえ)駅(同県湯前町)を結ぶ24.8キロ。1989年にJR九州から人吉市などが出資する第三セクター運営になった。

 ブルートレインたらぎ(電話0966・42・1120)は多良木駅から徒歩1分。車で約1時間のところには、直径140センチ・重さ約4トンの天然の真ん丸巨石、千年の目覚め 平成 悠久石がある。

 五つ隣の木上(きのえ)駅から徒歩10分の球磨川河川敷には珍しいツクシイバラの群生が広がる。直径3センチほどのピンクや白の花が6月上旬まで見頃だ。電話球磨川ツクシイバラの会事務局・遠山さん(090・9406・0312)。

■興味津々

 沿線の錦町にある歌声喫茶「風の谷」(電話0966・38・6010)は、歌を通じて地域がつながればと、オカリナ奏者・高場俊郎さん(50)が始めた。毎週[金]、昭和歌謡のほか、高場さん作の「くま川鉄道歌声列車」などを歌う。1回700円(コーヒー・菓子付き)。

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