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2012年6月19日
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ひとえきがたり

愛車語らうライダーの聖地 隼駅(鳥取県・若桜鉄道若桜線)

写真:隼駅の前に集えば、見知らぬ者同士でもバイクの話に花が咲く=鈴木愛子撮影拡大隼駅の前に集えば、見知らぬ者同士でもバイクの話に花が咲く=鈴木愛子撮影

写真:  拡大  

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 列車が過ぎ去れば、辺りはカエルの声に包まれる。そんな鳥取県八頭町の無人駅に、低いエンジン音を響かせながら、大型バイクが次々とやってくる。

 きっかけは、バイク専門誌に載った4年前の記事だった。「8月8日はハヤブサの日。隼駅に集まろう」と、排気量1300ccのスズキ「隼」のライダーたちに呼びかけていた。

 その年に集まったバイクは7台。記事を機に「無人では訪ねてきた人に申し訳ない」と、西村昭二さん(67)らは草を刈り、花を植え、「物置のようだった」駅舎を整備した。隼にちなんだ商品を扱う店「把委駆(バイク)」を駅舎内に開店。「ようおいでなすった」と店番の住民が迎え、話し声を聞いた近所の人が「どっから来ただえ?」と顔をのぞかせる。

 2009年から毎年8月8日前後に開く「隼駅まつり」では、「歓迎 隼ライダー」の横断幕でライダーを迎える。「えらいことになった」という初回は、予想を超える150台が駅に集合し、ホームまでバイクであふれかえった。翌年は600台が来場。駅はいつしか「ライダーの聖地」と呼ばれるようになった。

 訪ねた日は、石川や和歌山から20台ほど来ていた。「初めて隼のオーナーになったので、まず聖地に」と大阪から来た男性は、駅を背に愛車を写真に収めた。

 今年の祭りは8月5日。たくさんの隼が田畑の間を駆ける夏は、もうすぐだ。(蒔苗沙都子)

■沿線ぶらり

 若桜鉄道若桜線は郡家駅(鳥取県八頭町)と若桜駅(同県若桜町)を結ぶ9駅、19.2キロ。

 若桜駅構内には、国鉄時代のSLの給水塔や転車台が残り、隼駅とともに2008年、国の登録有形文化財に指定された。3月〜11月の第2・4[日](変更の場合も)はSLが走り、4月〜11月の第3[土]に開催するSL体験運転(1万円、参加は15歳以上で要予約)は鉄道ファンに人気。今年の「隼駅まつり」の会場となる船岡竹林公園([水]休み)は、隼駅から車で約5分。国内外の竹やササ約200種が生い茂り、竹林浴が楽しめる。

■興味津々

 隼駅を訪ねたライダーの多くが「お守りに」と買い求める聖地巡礼之証。隼駅前で愛車と撮影し、住民らでつくる「隼駅を守る会」が写真入りの証明書を発行する。隼駅内売店「把委駆」で販売(営業は原則[土][日])。500円。

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