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2012年6月26日
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ひとえきがたり

車窓を彩る100メートルのアジサイ 仲ノ町駅(千葉県・銚子電鉄)

写真:見ごろを迎えた約200株の沿線のアジサイ。線路の左奥が仲ノ町駅、タンク群はヤマサ醤油工場=上田頴人撮影拡大見ごろを迎えた約200株の沿線のアジサイ。線路の左奥が仲ノ町駅、タンク群はヤマサ醤油工場=上田頴人撮影

写真:ぬれ最中とでんでん酒拡大ぬれ最中とでんでん酒

地図:  拡大  

 千葉県銚子市は醤油(しょうゆ)のまちだ。醸造工場が隣接する仲ノ町駅のホームに降り立つと、どこか懐かしい香りが漂ってくる。でも梅雨のこの時期は、そんな空気を忘れさせるほど、アジサイの彩りが目を和ませてくれる。

 「怖い顔をして花をめでるなんて、似合わないって言われるんだけどね」。ややこわもてで大柄な田中昌宏さん(47)が、はにかみながら話す。駅の助役を務めながら、沿線100メートルにわたってアジサイを育てている。12〜13年前、自宅庭のアジサイの新芽で苗を作って沿線に植えたのをきっかけに、毎年のように株を増やしてきた。最近では「きれいだね」と声を掛けてきたり、写真を撮ったりする人も増えた。会社が「アジサイを目当てに少しでも鉄道の利用者が増えれば」(銚子電鉄広報の鈴木一成さん)と期待するほどだ。

 路線は乗客減で赤字が続き、何度も廃線の危機にさらされてきた。名物のぬれ煎餅(せんべい)を売った収入で窮地をしのいだこともある。市民も一役買う。会社員の大胡(おおご)忠さん(57)は「銚子電鉄サポーターズ」の一員として、沿線の掃除や催しの準備に力を注ぐ。「鉄道がなくなって廃れたまちは、たくさんありますから」

 田中さんは「経営がどうであろうと、アジサイは生き物だから」と、仕事の合間を見つけては世話に精を出す。梅雨が深まると新しい苗作りだ。「根っこがちゃんとするまでが一番大変。小さなつぼみがついた時は、うれしいねえ」。この週末も、大勢の観光客の目を楽しませた。(河瀬久美)

■沿線ぶらり

 銚子電鉄は、銚子市の銚子駅と外川駅を結ぶ10駅、6.4キロ。アジサイは本銚子駅や海鹿島(あしかじま)駅でも見られる。

 仲ノ町駅にある車庫の前では、全長4.4メートルのドイツ製小型電気機関車デキ3を見学できる。隣接するヤマサ醤油工場ではしょうゆソフトクリームが人気で工場見学ができる(要予約、電話0479・22・9809)。犬吠(いぬぼう)駅から徒歩15分の地球の丸く見える丘展望館では、7月16日[月][祝]まで「銚電からメッセージ」を開催。写真や鉄道コレクションの展示がある。入館料350円。電話銚子電鉄(0479・22・0316)。

■興味津々

 ぬれ最中(6個入り、900円)は、電車型の皮に醤油入りのあんを入れて食べる。日本酒のでんでん酒(720ミリリットル、1100円)とともに、箱は銚子電鉄の車両を基にしたデザイン。犬吠駅売店(電話0479・25・1106)やオンラインショップ(http://chodenshop.com)で。

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