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「ラブジェネレーション」 サンハトヤ(静岡県伊東市)

2009年7月29日11時13分

写真:サンハトヤの露天風呂は南国ムードも漂う=いずれも石野明子撮影拡大サンハトヤの露天風呂は南国ムードも漂う=いずれも石野明子撮影

写真:ロケに使われたプールサイド。ポーズをとるのは花田さん(左)と毛さん拡大ロケに使われたプールサイド。ポーズをとるのは花田さん(左)と毛さん

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■トレンディー、温泉で中締め

 静岡・熱海からJR伊東線で約30分。伊東駅の少し手前で、海を望む白い高層ホテルが車窓に見えてきた。「サンハトヤ」の大きな文字が掲げられている。「伊東に行くならハトヤ」のCMソングで有名だ。

 97年にフジテレビ系で放送されたトレンディードラマ「ラブジェネレーション」の中盤、第6話でロケ地となった。

 広告会社で働く、ちょっと浮気性だが人生に前向きな哲平(木村拓哉)と、同じ会社の元気なOL理子(松たか子)の恋物語。哲平が幹事の社員旅行で2人はサンハトヤへ行く。

 恋が実ったばかりの2人。コンパニオンにデレデレする哲平に理子が怒りながらも、ホテルのプールサイドで仲直りのキス。2人は露天風呂にも入る。理子は「今日が地球最後の日だとしても、最後まで笑っていられるな」としみじみ語る。

     ◇

 サンハトヤの営業部係長、花田健児さん(30)と、ホテル内で開催中の中国雑技団ショーに出演している毛(マオ)さん(20)に、あの名場面を再現してもらいながら、ロケの現場を歩いた。

 露天風呂は、当時も今も男湯、女湯に分かれている。ドラマでは哲平が深夜に女湯に入るという設定だった。実際に足を踏み入れてみると、テレビで見た印象よりずっと広い。すぐ間近に海も見える。

 プールサイドからも海が眼下に広がる。訪ねた日は夏休み前だったので、泳いでいる客はそれほどおらず、静かでのんびりした雰囲気だった。

 「大がかりなロケだった」とサンハトヤの原口茂社長は振り返る。「雑音が入らないよう、音が出る設備を止めた。最後には館内の空調まで止めるよう言われて驚いた」

     ◇

 トレンディードラマに温泉地が登場するのは珍しい。脚本の浅野妙子さんは「恋愛ドラマはシリーズの真ん中あたりでダレるから、温泉を入れることになった」と打ち明ける。プロデューサーだった小岩井宏悦さんは「普通の会社員やOLが経験している『いかにも』な感じと、ちょっとエッチな大衆性を入れるのに温泉がよかった」。

 平均視聴率は30.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。大ヒットの理由を浅野さんは「トレンディードラマが、視聴者に飽きられないギリギリの時代だった。若くてきれいな人が『愛してる』と言って、皆がドキドキできた」と分析する。

 小岩井さんも「恋愛そのものが人生の目的である、というロマンチックな思いが通用した時代だった」。

 キムタク、松たか子の青春のエネルギーは、温泉の大衆性も相まって、忘れがたい輝きとなった。(竹田さをり)

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