港ににぎわい取り戻そう 稚内に「波止場横丁」2007年05月13日 70年代、スケトウダラ漁の基地として栄えた北海道稚内市の副港地区。その一角に、「波止場横丁」という名の小さな屋台村ができた。今はまだ4軒しかないが、空洞化した地方都市のにぎわいを取り戻そうと横丁の夫婦や仲間が奮戦している。
「いらっしゃい」 コの字のカウンターの奥で、マスターの桝谷(ますや)隆樹さん(44)と妻の佳奈恵さん(39)が笑顔で出迎える。広さ11平方メートル。客席数は8席。隣の客とひじや肩が触れ合うほどの狭さだ。 単身赴任のサラリーマン、仕事を終え、浜から帰ってきた漁業関係者……。「この狭さがいいんだよなあ。横にいる人と自然に話ができるもんね」。客の1人がエビのかき揚げをつまみにチューハイを飲んだ。 4月28日にオープンした。札幌で料理人として修業を積み、生まれ故郷の稚内に戻った。「いつか自分の店を持ちたい」と思っていた。港の近くに市場や屋台村ができると聞き、面接を受けた。 店の中は裸電球がともり、昭和に戻ったような錯覚を覚える。テレビはなく、ラジオだけだ。港町と新鮮な魚介類にちなんで、「北浜鮮(きたはません)ぱく」と店の名前をつけた。 かつて大漁旗を掲げた漁船が港にひしめいていた稚内。人口は4万人まで落ち込み、観光客の数も低迷している。屋台村ができたからといって、どのくらいの経済効果があるのか分からない。 「でも、港ににぎわいを戻したいよね。地域活性化の輪が広がってほしいよね」と桝谷さん。屋台村には、ラーメン屋、カレー屋、ロシアレストランもある。「みんな同じ思いで頑張っていると思う。小さな店でも心温まる場所として輝いてほしいよね」 この記事の関連情報 |