慰霊のヒガンザクラ、満開 大津・石山寺2008年03月26日 大津市の石山寺(鷲尾遍隆座主)で、ヒガンザクラが満開を迎えている。座主の妻で副座主の龍妙(りゅうみょう)さん(52)は、520人が犠牲になった1985年の日航ジャンボ機墜落事故で妹を亡くした。ヒガンザクラは犠牲者を悼むため、事故翌年以降、徳島県阿南市の実家の寺から520本の苗木が送られた。約20年をへて大きく育ち、境内の山を美しく染めている。
龍妙さんは4人きょうだいの次女。一番下の妹で、大学を出て東京のアパレル会社に就職したばかりの能仁千延子(のうにん・ちえこ)さん(当時22)は85年8月12日、里帰りのため東京発大阪行きの日航123便に乗り、墜落事故に遭った。龍妙さんの結婚式が2カ月後に控えており、事故当夜、式で千延子さんが袖を通すはずだった着物が徳島の実家に届いた。 事故の翌年、結婚で石山寺に来た龍妙さんに、母親の怜子さん(77)から桜の苗木を送りたいと連絡があった。頂にお堂が立つ山に向かって歩く千延子さんの夢を見て、「この世の寿命は短くても、桜なら何百年も生き続ける」と思い立ったという。何年かに分けて、犠牲者一人ひとりを供養する520本が届いた。 龍妙さんはこれまで、桜のいわれを周りの人には話さずにきた。相手に気を使わせるし、同情されるのも嫌だった。だが最近、「きれいに咲いた桜が、亡くなった人たちの家族を元気づけることになる」と思えるようになった。 桜の近くにこの4月、阿弥陀仏を本尊とするお堂が完成する。怜子さんが見た千延子さんの夢に出てきたお堂と、偶然、似たつくりだという。 この記事の関連情報トラベル
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