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2012年8月20日
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楽園をさがして

ふらっと気ままに女ひとり旅 フィリピン編〈1〉

文と写真:江藤 詩文

写真:310台のテーブルと1728台のスロットマシーンがある「リゾートワールドマニラ」のカジノ。VIP会員用の豪華なクラブルームもありました拡大310台のテーブルと1728台のスロットマシーンがある「リゾートワールドマニラ」のカジノ。VIP会員用の豪華なクラブルームもありました

写真:カジノ内は全エリア撮影禁止で、カメラを持ち込むことができません。そこで「メルカド」のビュッフェ台のみをお見せします。金曜と土曜のランチは499フィリピンペソ(約948円/税サービス別)拡大カジノ内は全エリア撮影禁止で、カメラを持ち込むことができません。そこで「メルカド」のビュッフェ台のみをお見せします。金曜と土曜のランチは499フィリピンペソ(約948円/税サービス別)

写真:「リゾートワールドマニラ」にはホテルが三つ。これは昨年オープンしたバジェット型のレミントンホテルマニラのスタンダードルーム。1室3900フィリピンペソ(約7410円)から(税サ別)拡大「リゾートワールドマニラ」にはホテルが三つ。これは昨年オープンしたバジェット型のレミントンホテルマニラのスタンダードルーム。1室3900フィリピンペソ(約7410円)から(税サ別)

写真:「リゾートワールドマニラ」のレストラン&ショッピングゾーン。中庭を囲むスペイン風のデザインの建物に、ショップやレストラン、カフェがぐるりと入っています拡大「リゾートワールドマニラ」のレストラン&ショッピングゾーン。中庭を囲むスペイン風のデザインの建物に、ショップやレストラン、カフェがぐるりと入っています

写真:カジノ内にはいませんが、ショッピングモールやレストランには子どもを連れた親子がたくさん。上演中の「王様と私」にも、多くのチビッコが詰めかけていました拡大カジノ内にはいませんが、ショッピングモールやレストランには子どもを連れた親子がたくさん。上演中の「王様と私」にも、多くのチビッコが詰めかけていました

写真:タクシーでは乗客が助手席に座ることが多いため、助手席をかわいくデコレーションしているそう。「旅行者に喜んでもらおうと、妻が飾りつけました」と、40歳の運転手さん拡大タクシーでは乗客が助手席に座ることが多いため、助手席をかわいくデコレーションしているそう。「旅行者に喜んでもらおうと、妻が飾りつけました」と、40歳の運転手さん

写真:旅行者が多く訪れるマカティ市にある大型ショッピングセンター「グリーンベルト」。1階には、イタリアンやフレンチ、スペインバル、日本の洋食屋まで、レストランが充実しています拡大旅行者が多く訪れるマカティ市にある大型ショッピングセンター「グリーンベルト」。1階には、イタリアンやフレンチ、スペインバル、日本の洋食屋まで、レストランが充実しています

 先週は夏休みをいただいたこのコラム。みなさまはこの夏、どちらへ出かけられたでしょうか。私はひとりでフィリピンのマニラへ。そう話すたび「治安はいいのですか」「じゅうぶんお気をつけて」と言われてしまいました。

 定刻の21時より10分ほど早くマニラへ到着し、スムーズに入国審査を終え、税関を抜けたのが21時15分。東南アジア特有の喧噪(けんそう)を想像しながら、いざ外へ。ところが、あれれ、何だか勝手が違います。

 タクシーの客引きもいないし、スーツケースを勝手に運んでっちゃうポーターもいない。ホテルと空港の間を循環する無料シャトルバス乗り場に行くと「マダム、5分ほどお待ちください」。そのことば通りきっかり5分でやって来たバスに乗り込み、21時40分にはホテルの客室にいたのでした。

“おトク”に目ざとい女子が集結

 宿泊した「リゾートワールドマニラ」は、フィリピン最大級のカジノを中心に三つのホテルとショッピングモール、映画館、劇場、レストランやバーなどの飲食店を備えた、複合型エンターテインメント施設です。カジノは24時間営業、飲食店も遅い時間までやっています。

 翌日の昼、「女性ひとりでも気軽に食事ができる」とホテルのコンシェルジュに薦められ、カジノ内にあるブッフェ・レストラン「メルカド」に出かけてみると、200席以上ある広い店内は満員で、ざっと見たところ8割以上が女性だけのグループ。入り口で行列をつくっているのも、女性ばかりです。なんでカジノにこれほど女性が……。他の国のカジノでは見たことがない光景です。

「女性はお得情報に弱いじゃないですか」と笑うのは、リゾートワールドマニラで働く26歳のフィリピーナ、カレンさん。ココナツオイルで手入れをしている、腰まで届きそうな長い髪はツヤツヤ。ヒップに張りついた超ミニのタイトスカートに9cmのピンヒール。つけまつげをして、長い爪には大粒のストーンがきらり。おしゃれには手を抜かない彼女も、週末は母親や女友だちと一緒によくここを利用するといいます。

 ビュッフェ台を眺めてみると、シーフードを使った数種類のサラダやスープ、肉や魚貝のバーベキューのほか、ほくほくと湯気を上げている蒸籠入りの点心や揚げたてのフライドチキン、巻き寿司やそばまであります。フィリピンのビール「サンミゲル」の生は、大きなビアグラスで飲み放題。名産のフルーツは、チョコレートファウンテンにディップして。アイスクリームは8種類、ひと口サイズのケーキもずらり。ランチで千円ちょっとという価格は街場のレストランよりは高めだけれど、サービスや料理の質を考えればコストパフォーマンスがいい、というのもうなずけます。

 カジノで両替しがてら食事をする旅行者もいます。カジノ内は警備態勢が整っていて安全なうえ、お金をごまかすなどのトラブルもなく、しかも為替レートがいいのです。「けれども女性はカジノでお金を使ってくれず、両替やレストランを利用するだけなんですよね……」。ちなみに私もそのひとり。苦笑いするカレンさんでした。

マニラのタクシーに3勝1敗!

 さて、女ひとりで東南アジアを旅する場合、なんといっても避けられないのがタクシーでの移動です。ドライバーとの料金交渉を含むバトルは旅の楽しみのひとつみたいなもの。ここでもマニラは、いい意味で期待はずれでした。

 ホテルのコンシェルジュが「200フィリピンペソ(約380円)ほどですが、250フィリピンペソ(約475円)までなら、トラブルにせず支払うことをお薦めします」と言った場所へは、メーター表示で148フィリピンペソ(約281円)。コインがないからと請求されたのは140フィリピンペソ(約266円)。うれしくなってチップを弾みます。こんなことが3回も続きました。

 安全について言えば、ホテルやカジノ、ショッピングモールなど大型施設の入り口には必ず警備員がいて、手荷物の中まで厳重にチェックします。その分、安心ではありますが、逆に治安の悪さを強調するようでもあり、まったくの安全とは言い切れません。また、ホテルから出かけようとするたび、コンシェルジュからどこの地区へ行くのか聞かれるのも、あまりお薦めできない場所があるからです。

 とはいえ、旅行者が訪れるようなエリアは「センエン、ヤスイネ」としつこく追いかけてくる物売りもいないし、意味なくたむろしている若者もいない。周辺の東南アジアの都市より、むしろ安全に旅行できる印象です。

 そのため、店も閉まった深夜零時近くに、タクシーを探し歩いたこともありました。20分ほどの間に2台に乗車拒否され、3台目はメーターがありません。「行きは148フィリピンペソだったの。レシートもちゃんとあります!」。勢い込んで言ったら「じゃあ深夜料金で150フィリピンペソ(約285円)」と言われ、ちょっと拍子抜け。さらに大雨による通行止めがあり、遠回りすることになったら「2フィリピンペソ(約4円)チップちょうだい〜」。OKしたら、音楽をかけてくれました。

 降り際、手もとにコインがなく、「おつりがない」と言われるのを承知で160フィリピンペソ(約304円)を渡すと、ちゃんとコインで8フィリピンペソ(約15円)を探してくれるドライバー。思わずおつりを差し上げてしまいました。これってもしかして、思うツボだったのでしょうか。

マニラへのアクセスと基本情報

 成田空港からフィリピンのマニラへは、ANAが毎日直行便を運航している。飛行時間は約4時間。フィリピン航空、JAL、デルタ航空、ジェットスターも直行便を運航。名古屋、大阪、福岡からも直行便がある。

 公用語は、タガログ語を基礎とするフィリピン語。英語は共通語。ホテルやレストランをはじめショップ、スーパーマーケットなど、ほぼどこでも英語が通じるが、コンビニとタクシーでは通じづらいこともあった。

時差はマイナス1時間。通貨はフィリピンペソで、1フィリピンペソ=約1.9円。

(*データは2012年8月取材時のもの)

(取材協力:ANAフィリピン観光省リゾートワールドマニラ

プロフィール

江藤 詩文(えとう・しふみ)
旅とお酒と食文化を愛するフリーライター。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。慌ただしい日常の中、心のどこかでふと思いをはせるだけで気持ちが和む「楽園」を探す「楽園ハンター」として、世界のどこかから幸せな気分になれるあれこれをお届けします。
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