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2012年8月28日
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楽園をさがして

幸せな「ひとり」リゾート フィリピン編〈2〉

文と写真:江藤 詩文

写真:ラゲン島からボートで訪れた無人島のエンタルーラ島。真っ白な砂浜と遠浅の海が続いています。ここでのんびり1時間ほどお昼寝タイム。あぁ、至福拡大ラゲン島からボートで訪れた無人島のエンタルーラ島。真っ白な砂浜と遠浅の海が続いています。ここでのんびり1時間ほどお昼寝タイム。あぁ、至福

写真:ラゲン島の水上コテージ。こちら側の水上コテージからは、天気がよければ夕陽を眺められます。テラスのすぐ真下には、キラキラ輝く小魚の群れが拡大ラゲン島の水上コテージ。こちら側の水上コテージからは、天気がよければ夕陽を眺められます。テラスのすぐ真下には、キラキラ輝く小魚の群れが

写真:ラゲン島とミニロック島からボートで行く大小のラグーン。シュノーケルやカヤックを体験できます。水面から見上げる空と緑が清々しい拡大ラゲン島とミニロック島からボートで行く大小のラグーン。シュノーケルやカヤックを体験できます。水面から見上げる空と緑が清々しい

写真:フィリピン伝統のヒロットは、痛いくらいの力強さで、コリをぐいぐいともみほぐしていくマッサージ。60分1400フィリピンペソ(約2660円/税サ別)拡大フィリピン伝統のヒロットは、痛いくらいの力強さで、コリをぐいぐいともみほぐしていくマッサージ。60分1400フィリピンペソ(約2660円/税サ別)

写真:アプリット島のリゾートは、全室が水上コテージ。こちらではロープで岩を下ったり、洞窟を探検したりといった冒険的なアクティビティも充実拡大アプリット島のリゾートは、全室が水上コテージ。こちらではロープで岩を下ったり、洞窟を探検したりといった冒険的なアクティビティも充実

写真:アプリット島への移動では、フィリピン名物のジープニーにも乗れます。カラフルにデコレーションしたジープで、街中では乗合タクシーとして利用されています拡大アプリット島への移動では、フィリピン名物のジープニーにも乗れます。カラフルにデコレーションしたジープで、街中では乗合タクシーとして利用されています

写真:マニラとリゾートを結ぶ、リゾート専用のプロペラ機。ドイツ製で19人乗り。リゾートの空港は、ご覧のような原っぱです拡大マニラとリゾートを結ぶ、リゾート専用のプロペラ機。ドイツ製で19人乗り。リゾートの空港は、ご覧のような原っぱです

 米国の旅行専門誌「トラベル&レジャー」が先ごろ発表した、読者による人気投票で2012年「ワールド・ベスト・アイランド」部門の1位を獲得したのは、フィリピンのボラカイ島。私の愛するバリ島を抑えて、フィリピンの島がトップねぇ……。

「だってフィリピンは、大小さまざまな7107もの島からなる究極の島国ですもん。そりゃ、いろいろな島がありますよ」と笑うのは、マニラガールのカレンさんです。

「日本人にもよく知られているセブ島は開発が進んでいて、大型のリゾートホテルがたくさんあります。ボラカイ島は、真っ白なロングビーチで有名。世界中から旅行者が集まる一大観光地です」

 でもね、と声を潜めるカレンさん。彼女たちフィリピーナがほんとうに誇りに思っているのは、マニラの南西に浮かぶパラワン島。なかでも、手つかずの自然が残る北部のエルニドは「フィリピン最後の秘境」と呼ばれている、とっておきの場所なのだそう。

 女ひとりでアイランドリゾート。なんだかちょっと寂しい気もしますが、マニラから足を延ばしてみました。

フィリピーナのあこがれ“最後の秘境”へ

 ちっちゃなプロペラ機でマニラから1時間15分。ミニバス、小型ボートと乗り継ぎ、大型ボートに乗り換えて1時間10分。潮風を浴びつつ、次々に現れる美しい島のシルエットを眺めながら、のんびりと船旅を楽しみます。

 到着したのは、パラワン島北部の西側に浮かぶエルニド諸島のひとつ、ラゲン島。海からそそり立った厳しい岩肌の入り江に、素朴なリゾートがちんまりと抱かれています。手前にあるのは、人魚が休息をとったでといわれる人魚岩。透き通った穏やかな海。ときどき聞こえる海鳥の声。なんて静かなんだろう……。

 滞在した「エルニドリゾーツ」は、エルニド沖のミニロック島とラゲン島、さらにはパラワン島をはさんだ東側に位置するタイタイ沖のアプリット島という三つのリゾートを抱えています。いずれもひとつの島にひとつのリゾートしかなく、それぞれの客室数は50室あまり。私は西のラゲン島と東のアプリット島に宿泊しました。

 テレビもラジオもない。島外へつながる電話もない。音楽もない。インターネットにつなぐにも、オープンエアのロビーで辛うじて電波が拾えるだけ。はじめはちょっぴり不便と不安を感じながらも、いざすべてがシャットアウトされると、静けさがなんだか心地いい。普段いかに騒音に囲まれ、時間に追い立てられて暮らしていることでしょう。

 ここではパソコンもスマホも開きません。もちろん仕事もできません。だって何もないんだもん、しようがありませんよね。で、たっぷりと目の前に差し出された時間を持て余す快感といったら! 毎日あわただしく追い立てられるビジネスマンには、たまらんだろうな。プールサイドでごろん、ビーチでぐたぐた。気が向いたらマッサージを受けたり、リゾートが主催するアクティビティに参加したり。日が沈んだら夕ごはんを食べて、後は寝るだけ。

 水上コテージでひとり過ごす夜。ラゲン島は波が静かな無音の世界。あまりの静寂になんだか心もとなくテラスに出てみても、真っ暗で何も見えません。アプリット島は波音がBGM。ベッドに横たわり、ザザッ、ザザッとコテージを取り囲むような規則正しい水音に、いつの間にか眠りに引き込まれていました。

子どもの感性を変える海のパワー

 アプリット島では、島めぐりのボートツアーに参加しました。透明度の高い海は、シュノーケルでちょっと顔をつけるだけで、目を疑うような美しい珊瑚礁と魚の群れを眺められます。

「すごい、地球ってきれい!」

 興奮で顔を赤く染めているのは、一緒に参加した7歳と5歳の日本人姉妹のお姉ちゃん。毎年家族でフィリピンの島を訪れているというお父さんはこう話してくれました。「なにを教えたわけでもないんですが、フィリピンから帰ると、『海を汚しちゃいけない』とか『水を大切にしろ』とか、ガミガミ口うるさくなるんですよ」

 娘連れならマニラとリゾートの組み合わせに限る、とお父さん。「女房や、まして娘がいるとマニラがいいですね。フィリピンって、女性や子どもが大切にされると思いませんか」。ぼくひとりだと誰も気を遣ってくないのですが、と苦笑します。

 ファミリーでマニラとリゾートへ。うーん、絵に描いたような幸せですこと。でもね、ひとりで過ごす時間もまた格別です。これ、負け惜しみじゃありませんから……。

エルニドリゾーツの宿泊料金

 エルニドリゾーツの宿泊料金には、宿泊のほか3食と一部を除くアクティビティの費用が含まれます。1室2名利用時の1名分の宿泊費は、アプリット島が11285フィリピンペソ(約21440円)、ラゲン島が17690フィリピンペソ(約33610円)、ミニロック島が13725フィリピンペソ(約26077円)。税サ別。

(取材協力:ANAフィリピン観光省エルニドリゾーツ日本オフィス/エルパラダイス

プロフィール

江藤 詩文(えとう・しふみ)
旅とお酒と食文化を愛するフリーライター。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。慌ただしい日常の中、心のどこかでふと思いをはせるだけで気持ちが和む「楽園」を探す「楽園ハンター」として、世界のどこかから幸せな気分になれるあれこれをお届けします。
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