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ぽれぽれサファリ

頭湯でファイナルアンサー? 〜六本木でヘッドスパ(前編)

07月26日

文・春口 裕子 »プロフィール»バックナンバー

 社名や看板を見て、「何屋さんなんだろう?」と思うことがある。たとえば、先日見かけたこの看板。(株)の後ろのモザイク部分には、一般的な苗字が入っているのだが、何を商っているのか皆目検討がつかない。ストレートに、馬を売買しているのか。あるいは馬にまつわるいろいろなもの? はたまた、疾走する馬を大胆に描くことによって、会社の勢いを表しているのか。気になる。とても気になる。

写真旅先で見つけた看板
写真地下への階段をおりていくと現れる、こぢんまりとしたサロン。

ヘッドスパに誘われる

 先日のこと。編集者ガミー氏(♂)からプルルと電話がかかってきた。

「春口さん、ヘッドスパに行きませんか」

 開口一番に勢いよく聞かれたので、こちらも「行きましょう行きましょう。ぜひ行きましょう」と即答した。ところで――。

 ヘッドスパって何。

 なにやら気持ちよさそうな響きではある。スパというからには、温泉がらみの何かだろうか。そしてヘッドとくれば……そうか、わかった。足湯ならぬ“頭湯”にちがいない。

 あたまゆ、アタマユ、ATAMAYU。

 目をつむり、頭湯に興じるさまを想像してみる。良い香りの漂うおしゃれなサロンで、ごろりんと仰向けになる自分(とガミー氏)。ただひたすら、じっと頭湯する自分(とガミー氏)。

 寝返りを打った拍子に、お湯がざぶんと顔にかかったりして。
 鼻にお湯が入って、ツーンときたりもして。
 ということは、髪の生え際を喫水線とさだめ、体をしっかり固定する必要がある。少しでも身動きすれば、己の目鼻や口を、ふたたび湯がおそうであろう。

 つまりは、湯とわれわれの戦い。

 私はガミー氏に言った。

「正直、あまり気乗りがしません」

「なるほどなるほど」ガミー氏は調子よく相槌をうった。「ジャグジー付きだと、さらに厄介ですしね?」

 いかにも。アワアワがぶくぶくで大変なことになるぞ。

 ガミー氏はさらに続けた。

「あるいはジェット噴射でマッサージとか」

 それはもう、顔面も一緒にスパされることを想定に入れたほうがいいだろう。……ところで、「ヘッドスパとは頭湯」でファイナルアンサー?

 ガミー氏はあっさりと言った。

「まったく違います。パンフレット、読みあげましょうか」

 さっさとお願いします。

”湯との戦い”ではなかった

 ヘッドスパとは、“マッサージで頭皮の血液やリンパ液の流れを改善し、ひいては全身をリラックスさせる、極上のリラクゼーション”らしい。なーんだ。湯との戦いではないのね。ガミー氏が予約してくれたのは、六本木の某サロン。いろいろあるコースの中で、へアケアを含む「ノーマルコース」を選んだ。

 そして当日。一番最初に行われるのは頭皮チェックだという。テレビCMなんかでよく見る、例のやつだ。私はどきどきしながら、椅子に腰かけた。(つづく)

今週の春口さん

 国内だけでなく、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアの、いろいろな国や地域からお便りをいただき、感激してます。今日はその中から一部をご紹介します。まずは「フランスで文無し」の回へのお便りから。
「これ 本当に経験した話ですか! 肝っ玉の大きさ、今の日本女性の成長変化(?)に今度はこちらがど肝をぬかれています」(浦島太郎さん)
「私もドイツで似たような経験をしました。夜行でフランスに移動する直前、レストランに入り、“これが最後のソーセージ!”とお腹いっぱい食べたところ……マルクが足りない! カードも使えず、“フランならたっぷりあるのに”という、トホホな状況になりました」(まめなかなさん)
「中学生の頃、現国で習った『一切れのぱん』――ある男にもらったナプキンに包まれた一切れのパンだけを心の拠り所にして、ようやく家に辿り着き、包みを開けてみればそれはただの一片の木片だった――を思い出させるようなすさまじい……いいお話でした。春口さんのそれも、ようやくミラノに辿り着き一口含んでみれば……なんてことはなかったですよね」(北京太郎さん)
 いいお話ですね。ひょっとしたら私たちのあの水も……!?
 ひとこと欄なのに、なんだか長くなってきちゃったので、続きはまた来週。

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