社名や看板を見て、「何屋さんなんだろう?」と思うことがある。たとえば、先日見かけたこの看板。(株)の後ろのモザイク部分には、一般的な苗字が入っているのだが、何を商っているのか皆目検討がつかない。ストレートに、馬を売買しているのか。あるいは馬にまつわるいろいろなもの? はたまた、疾走する馬を大胆に描くことによって、会社の勢いを表しているのか。気になる。とても気になる。

旅先で見つけた看板

地下への階段をおりていくと現れる、こぢんまりとしたサロン。
ヘッドスパに誘われる
先日のこと。編集者ガミー氏(♂)からプルルと電話がかかってきた。
「春口さん、ヘッドスパに行きませんか」
開口一番に勢いよく聞かれたので、こちらも「行きましょう行きましょう。ぜひ行きましょう」と即答した。ところで――。
ヘッドスパって何。
なにやら気持ちよさそうな響きではある。スパというからには、温泉がらみの何かだろうか。そしてヘッドとくれば……そうか、わかった。足湯ならぬ“頭湯”にちがいない。
あたまゆ、アタマユ、ATAMAYU。
目をつむり、頭湯に興じるさまを想像してみる。良い香りの漂うおしゃれなサロンで、ごろりんと仰向けになる自分(とガミー氏)。ただひたすら、じっと頭湯する自分(とガミー氏)。
寝返りを打った拍子に、お湯がざぶんと顔にかかったりして。
鼻にお湯が入って、ツーンときたりもして。
ということは、髪の生え際を喫水線とさだめ、体をしっかり固定する必要がある。少しでも身動きすれば、己の目鼻や口を、ふたたび湯がおそうであろう。
つまりは、湯とわれわれの戦い。
私はガミー氏に言った。
「正直、あまり気乗りがしません」
「なるほどなるほど」ガミー氏は調子よく相槌をうった。「ジャグジー付きだと、さらに厄介ですしね?」
いかにも。アワアワがぶくぶくで大変なことになるぞ。
ガミー氏はさらに続けた。
「あるいはジェット噴射でマッサージとか」
それはもう、顔面も一緒にスパされることを想定に入れたほうがいいだろう。……ところで、「ヘッドスパとは頭湯」でファイナルアンサー?
ガミー氏はあっさりと言った。
「まったく違います。パンフレット、読みあげましょうか」
さっさとお願いします。
”湯との戦い”ではなかった
ヘッドスパとは、“マッサージで頭皮の血液やリンパ液の流れを改善し、ひいては全身をリラックスさせる、極上のリラクゼーション”らしい。なーんだ。湯との戦いではないのね。ガミー氏が予約してくれたのは、六本木の某サロン。いろいろあるコースの中で、へアケアを含む「ノーマルコース」を選んだ。
そして当日。一番最初に行われるのは頭皮チェックだという。テレビCMなんかでよく見る、例のやつだ。私はどきどきしながら、椅子に腰かけた。(つづく)