JR東海が神奈川県中央部の寒川町倉見地区に東海道新幹線の新たな駅を造ることを検討していることが2日、わかった。2027年を目標とするリニア中央新幹線の開業後に、東海道新幹線の利用客減少が懸念されるためだ。
リニアは東京から名古屋や大阪をつなぐ計画。開業後には、過密な運行となっている東海道新幹線にゆとりを持たせ、新駅をつくったり、より多くの駅に止まる列車を増やしたりして沿線の利用客を掘り起こしたい考えだ。03年の品川駅の開業以降、速度低下につながる新たな駅はつくられていない。
神奈川県には新幹線駅が2カ所あるが、小田原―新横浜間の距離は約51キロで、東海道新幹線の平均区間距離の1.6倍。このため、同県と県内10市町は、JR東海に県中央部の寒川町への新駅設置を要望していた。誘致地域はJR相模線が通り、周辺市町からも利用しやすい。駅の建設費約250億円も、県と市町が負担する方針だ。
4日には、リニア計画を審議する国土交通省交通政策審議会の中央新幹線小委員会に、松沢成文知事が出席し、新駅の必要性を訴える予定だ。