関西の私鉄大手4社の2010年3月期連結決算が14日出そろった。景気低迷や新型インフルエンザの流行で、3社が減収減益となった。ただ1社増収増益だった南海電気鉄道も、徳島バスを連結子会社に加えた影響が大きく、既存事業では実質減収。各社とも本業の苦戦に加え、ホテルや流通なども不振だった。
阪急電鉄と阪神電気鉄道を分けた事業会社別では、昨年3月開業のなんば線が好調だった阪神以外の運輸収入はいずれも減収に。阪神も、なんば線を除く既存線は同2.1%減だった。阪神と相互乗り入れする近畿日本鉄道は、高速道路料金の割引による打撃が、なんば線効果を打ち消した。景気低迷に加えて構造的な人口減少で、各社は11年3月期も運輸収入の減少を予想している。