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由布院トロQ、7年間お疲れさま 老朽化で運行終了

2009年11月30日

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写真最終運行の出発を待つ「トロQ」=JR由布院駅写真最終便の出発合図をする小野洋治駅長(手前右)ら=JR由布院駅写真大分駅に向けて出発した最終便=JR由布院駅

 JR久大線の由布院―南由布間などを走るトロッコ列車「トロQ」が29日、約7年間の運行を終えた。02年秋から由布院観光の一つの顔として親しまれ、これまでに延べ約30万人が利用。人気は上々だったが、JR九州は車両の老朽化が進んだため継続を断念した。由布院駅であった最終便出発前の式典には関係者のほか大勢の鉄道ファンが詰めかけ、別れを惜しんだ。

 「トロQ」は、02年10月から春と7〜11月の土、日曜や夏休み期間だけの臨時列車として、由布院―南由布間を1日5往復、大分―由布院間を1日1往復走っていた。緑色の車体の5両編成のうち2〜4両目が側面に窓がなく、風を受けながら景色をじかに見ることが出来るトロッコ列車。JR九州によると、1960年代に製造された砂利や木材を運ぶ貨物車両を改造したもので、すでに補修に必要な部品を調達することが困難という。

 式典で、由布市の首藤奉文市長は「駅の観光拠点化や、市街地の車を減らすための交通手段としても役立ってもらえた。車体もゆふいんの雰囲気にぴったり。本当に惜しい」とあいさつ。桑野和泉・由布院温泉観光協会長は「南由布までのわずか7分間で、由布院の魅力の多くを感じてもらえる貴重な列車だった。トロQと再会したいという思いをみんな持っています」と語りかけた。

 JR九州の町孝常務は、全国で二十数カ所あるトロッコ列車の中でも有数の人気を誇っていたことにふれ、「当地にも支えられ、我々の会社は発展してきたといえる。何らかの形でこういう列車を復活させたい」と、「新型」の検討を約束した。

 午後3時11分。東郷和浩・由布院温泉旅館組合長と小野洋治由布院駅長の合図で大分駅行きの最終便が出発。ホーム上はカメラを持った人であふれ、次第に遠ざかる列車を見守った。最終便に乗った北九州市八幡西区の会社員井口博さん(39)は、今年3回目の乗車。「窓がなくて全身で風を感じられる本格的なトロッコ列車は意外に少ない。特に夏の景色は格別だった。これに乗るために由布院を訪れる人も多かったはず」と寂しそうに話した。

 トロQの往復地点だった無人駅・南由布駅は、トロQ登場以来観光客が増え、にぎわうようになった。駅の清掃や草刈りを十数年来続けている「南由布駅を美しくする会」の溝口正義会長(72)は「この7年、本当に楽しませてもらった。自分も度々乗っていた列車だけに本当に残念。ぜひ復活してほしい」と話した。(原篤司)

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