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不正取水で水利権失う JR東日本、電力確保「綱渡り」

2009年3月11日

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 JR東日本が新潟県内に持つ信濃川発電所(最大出力45万キロワット、水力)で、信濃川から大量の水を不正に抜き取っていた問題で、国土交通省北陸地方整備局は10日、同社の水利権を取り消した。JR東の清野智社長は整備局で記者会見して謝罪。首都圏での電車運行に必要な今後の電力確保について「綱渡り」と表現した。

 処分を受け、川をせき止めていた宮中ダム(同県十日町市)の水門は開放され、慢性的に水枯れだった下流33キロに勢いよく水が流れ出した。

 国交省によると、同社はダムの取水口など計6カ所の流量観測装置に不正なプログラムを設置。許可上限量の毎秒317トンを超えて取水しても上限量までしか記録されないようにして、02〜08年の7年間で少なくとも約3億1千万トンを不正取水していた。所長レベルの判断だったという。国内最大級の水力発電所は停止し、同社は使用電力の23%を失う。

 清野社長は会見で、減便など運行に影響が出る可能性について「ゼロではないと申し上げざるを得ない」と話した。今後のコスト増は「(年間)1千億円に届く規模ではない。運賃に跳ね返るほどではない」と述べた。数百億円に上る可能性を示唆した。同社は09年3月期に3240億円の連結経常利益を見込んでいる。

 JR東日本は、川崎市内に保有する火力発電所の稼働率をこの日から上げ、東京電力や東北電力からの購入量も増やし始めた。ただ、電力需要がピークとなる夏場の対策についての電力会社との協議は「まだつまっていない」(清野社長)という。

 関係者によると、同社は非常時に備え、運行頻度を落とす「間引き運転」の検討にも入った。信濃川発電所の電力は首都圏のほぼすべての主要路線に使われてきており、これらの路線とみられる。

 同社が焦る背景には、信濃川発電所の運転再開のめどが立っていない点がある。水利権の再取得には最短でも1年はかかる見通しだ。(三浦英之、山本精作、峯俊一平)

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