現在位置:
  1. asahi.com
  2. ライフ
  3. トラベル
  4. 鉄道
  5. ニュース
  6. 記事

【群馬】わたらせ渓谷鉄道の魅力に駅弁プラス

2009年6月7日

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真拡大「駅弁だから、重箱は2段が限界だよね」。試作品について意見を交わす従業員=4日、桐生市黒保根町水沼

 桐生市と栃木県日光市足尾町を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」(本社・みどり市)の水沼駅(桐生市黒保根町水沼)で「駅弁」づくりが進められている。駅に併設された水沼駅温泉センターを運営する「モンテディオ総合企画」(神山登社長)が7月上旬の販売スタートを目指している。

 「織物の街・桐生らしく、繭玉の形をしたおかずを入れようよ」「女性が家に持ち帰りたくなる容器にしたいね」

 4日、同駅温泉センターで、駅弁の試作品の会議があった。この日は弁当の器や使う食材について職員が意見を交わした。今後納得いく弁当ができるまで会議を重ねる。

 弁当の包装は、地元に残る民話の絵などをあしらい、ネーミングも方言や伝説などを使い、郷土色あふれるものにするつもり。水沼駅に加え、沿線各駅でも売る方向で、わ鉄側と協議していくという。

 わ鉄によると、車両の窓を外して渡良瀬川の渓谷美を楽しむトロッコ列車の運行の際、駅弁を車内販売してきたが、常時駅で買える駅弁はないという。

 そこで、神山さんは、駅弁を鉄道の魅力の一つにしてリピーターの確保につなげようと考えた。

 89年12月に開業した温泉センターは、もともと第三セクターのわ鉄が運営。「関東の駅百選」に選ばれたこともある。しかし、徐々に利用者が減り、08年12月には原油高騰もあって休止に追い込まれた。その後沿線住民の神山さんらでつくる民間会社が引き継ぎ、09年4月に再開した経緯がある。

 神山さんは、みどり市職員を今年3月に退職。それまで、市の観光部門の課長として沿線の活性化に力を入れてきた。合併して同市が生まれるまでは、やはり沿線の旧東村の職員として観光行政に携わってきた。かつて、国鉄足尾線が廃線となり、県などが出資するわ鉄が引き継いで、生活の足がなんとか残った経緯を知っている。

 「過疎地域を走る渓谷鉄道は、生活の足として発展する可能性はなく、観光客を増やすしかない。観光客が増えなければ、いずれは経営危機となり、高齢者や学生などの足がなくなる。有力な観光資源の温泉センターをつぶすわけにはいかなかった」。神山さんは振り返る。

 わ鉄には美しい渓谷がある。そして、散策の疲れをいやす温泉も。目で見て楽しみ、肌で感じて楽しんだら、次はおなかを満足させる番だとして、今まで培ってきた観光行政マンの知恵を生かす。

 神山さんは「いろいろアイデアを出し合い、なんとか渓谷鉄道の活性化につなげたい。駅弁は、その第一歩」と話している。(木村浩之)

検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内

アサヒ・コム プレミアム

プレミアム

思ひ出鉄道館

「思ひ出鉄道館」

全国各地を走る個性豊かな列車たちの写真を紹介します