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街を囲む路面電車、36年ぶり復活 富山、高齢化見越し

2009年12月21日

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写真市街地を試験運転する路面電車。黒、白、銀の3色の車両が走る=富山市デザイン拡大  

 車がなくても暮らせる街づくりを進める富山市で23日、中心市街地をぐるりと回る路面電車が36年ぶりに復活する。かつての環状線は、車社会の発達で1970年代に、一部路線が廃止されてしまった。それが今回、少子高齢化や地球温暖化を背景に、これからの街の交通手段の中核と期待されて「再登板」することになった。

 富山市中心部を走るのは3両の次世代型路面電車。JR富山駅を発着点に、公園や百貨店がある中心市街、県庁や市役所周辺の約3.5キロを反時計回り方向に20分間で結ぶ。愛称は「セントラム」。車両は、旧来型と比べて乗り降りしやすい低床で、都市型路面電車の先進地・ヨーロッパで走るのと同様のモデルだ。料金は1回につき200円で、昼間は10分間隔、朝夜は20分刻みのダイヤで運行する。

 市内では、73年まで、ほぼ同じルートを路面電車が走っていた。高度成長期に急速に道路整備が進められたことに伴い、乗客数が激減。路面電車は都心と郊外を結ぶ路線だけが「U字」の形で残っていた。今回、中心市街地にあるホテルや会議場を通るように延長約1キロの線路を造り直し、欠けていた「輪」をつないだ。総工費は約30億円。

 富山県は現在、1世帯あたりの自動車保有台数が1.72台と、全国2位のマイカー王国だ。一方、人口は郊外に広がり、市街地の人口密度は30年で3分の2に減っている。

 市は将来の高齢化を見越し、「脱自動車」に向けた施策に乗り出した。2006年から市北部で全国に先駆けて次世代型路面電車を運行。衰退した中心市街地で住宅を購入する人に50万円を補助する。来春には今回の環状線と連携して、パリを手本とした自由に乗り降りできる自転車レンタル事業を始める。これで、路面電車の電停から離れた場所でも自転車に乗り継いで出かけられ、公共交通で日常の用を足せるようになる。

 森雅志市長は、開業する路面電車をコンパクトな街づくりの象徴と位置づける。「郊外に造ってきた施設も、路面電車の周辺に集約する必要がある」と話す。(久保田一道)

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