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「撮り鉄」に警戒せよ 「北陸」「能登」12日最終運転

2010年3月6日

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写真引退する寝台特急「北陸」(右)と急行「能登」=JR西日本提供写真昨年3月に廃止された寝台特急「富士・はやぶさ」の最終列車出発の際には東京駅に約3千人のファンが詰めかけた写真500系新幹線の東海道区間ラストランでは東京駅だけで約1500人が詰めかけた。転倒したり柵(さく)から身を乗り出したりする人もいた=2月28日、東京駅

 半世紀以上にわたって東京・上野と金沢を結んできた寝台特急「北陸」と急行「能登」が、12日夜発の列車で運転を終える。「撮(と)り鉄」と呼ばれる撮影目的の鉄道ファンの一部によるトラブルが相次いでいることから、JR側は「厳戒態勢」で臨む。

 最終列車は上野、金沢両駅を12日深夜に発車し、翌13日早朝に到着。上野駅には先月下旬から平日約200人、土日約300人のファンが詰めかけ、「最後の雄姿」をカメラに収めている。JR東では、出発の際に上野駅だけでホームに約40人の駅員や警備員らを配置して警戒に当たる。新幹線と違い、一般の線路を走る列車だけに、沿線での警戒も強める。

 大阪府と滋賀県で2月、人気のお座敷列車「あすか」撮影目的とみられる不審者が線路内に立ち入り、大阪府では運休や遅れで約1万3千人に影響した。府警は鉄道営業法違反(鉄道地内立ち入り)容疑での立件を目指している。

 首都圏でも撮り鉄による事故やトラブルが後を絶たない。2008年11月には、神奈川県茅ケ崎市のJR東海道線の踏切内で、寝台特急を撮影していた男性が貨物列車にはねられ死亡。今年1月には、JR京浜東北線で209系車両が最終運転した際、一部のファンが一般の乗客の乗車を妨げる騒ぎがあった。

 500系新幹線が東海道区間を最終運転した2月28日には大きな事故はなかったが、約1500人が詰めかけた東京駅のホームでは、一部が転倒したり、柵(さく)から身を乗り出したりした。

 鉄道ブームで、旅行を楽しむ「乗り鉄」、走行音や発車音を録音する「録(と)り鉄」、最終運転に駆けつける「葬式鉄」などがメディアに登場する機会が増えた。鉄道会社や古くからの鉄道ファンは「趣味として公言できるようになった」とブームは歓迎しつつも、暴走する撮り鉄については「問題を起こしているのはマナー知らずの一匹おおかみで、腹立たしい」と憤る。

 鉄道関係者によると、以前はファン同士や駅員らと連絡を取り、運行情報や撮影ポイントなど必要な情報を入手していた。交流を通じて互いが知り合いになることも多く、自然とマナーや節度を守ろうとする雰囲気ができあがった。だが最近は人に頼らずインターネットで集められるようになり、ファン同士も顔を知らない。他人や列車運行に配慮しない自分勝手な行動が目立つようになったという。

 ファンの暴走に専門誌は黙っていない。「鉄道ダイヤ情報」(交通新聞社)は毎号、「線路には絶対に立ち入らないで!」と注意を呼びかけている。「鉄道ファン」(交友社)も「あすか」騒ぎを受け、ホームページで「そうした行為を経て撮影されたと思われる写真は掲載しない方針」とのメッセージを掲載した。

 ファンの間では、心ない一部の暴走を理由に鉄道会社や警察の規制が強まることを懸念している。「北陸」と「能登」のラストランを前に、JR東と西は「マナーは守って欲しい」と呼びかけている。(小林誠一、小河雅臣、竹田真志夫)

     ◇

 〈北陸と能登〉北陸は1950年に金沢経由の大阪行き急行として誕生。59年に金沢止まりになり、75年に寝台特急に。能登は59年に米原(滋賀県)経由の急行として誕生。68年に一度廃止されたが、75年に復活した。運行するのは北陸がJR東日本、能登はJR西日本。利用者が87年のJR発足時の3割程度に落ち込み、廃止が決まった。昨年度は1日平均で北陸225人、能登183人。今後は週末や連休に上野―金沢間の臨時夜間急行を走らせるという。

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