首都高速道路会社は13日、用賀パーキングエリア(上り、東京都世田谷区)に東名高速から来る高速バスの降車専用のバス停を新設し、乗客がバスを降りて電車に乗り換えられるようにする実験を始めると発表した。首都高速の渋滞を避け、スムーズに都心に入りたい利用者向けの新しい試み。
全国で最も交通量が多い東名高速と都心をつなぐ首都高3号渋谷線は慢性的に渋滞。通常なら15分で通過できる用賀―霞が関が、午前中や夕方の渋滞のピーク時には30分〜1時間かかる。
新設されるバス停から徒歩5分の東急田園都市線用賀駅で電車に乗り換えると、ターミナル駅の渋谷に11分ほどで着き、そこから各地を目指せる。試算によると、新宿、渋谷、池袋が目的地の場合は用賀で電車に乗り換えた方が早く到着。東京駅や大手町、上野方面が目的地の場合でも状況によっては電車利用の方が早い場合がある。
実験は今月21日から半年間で、利用が多ければその後も続ける。対象は愛知、山梨、静岡、神奈川の4県を出発する東京行きの高速バス。名古屋市や静岡市のほか、観光地の河口湖や箱根、修繕寺などから東京駅、新宿駅へ向かうバスは1日計128本運行され、月平均6万人が利用している。渋滞しない深夜帯に首都高を走る大阪発のバスなどは今回は対象外。
運転手が首都高の渋滞状況を乗客に知らせ、乗客が電車へ乗り換えるかどうか判断する。乗り換え希望者にはバス車内で用賀駅から渋谷駅までの乗車券(通常190円)を100円で発券する。
静岡―東京間を新幹線で移動すると料金は5670円、時間は1時間〜1時間半かかる。高速バスの場合、料金は2800円と割安だが2時間40分ほどかかるという。