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駅ナカ、多彩に高級に 書店併設カフェ・ワイン店…

2010年6月6日

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写真JR西荻窪駅の改札前にある専門店街「ディラ西荻窪」=4日午後、東京都杉並区

 帰宅のついでに駅構内で買い物を楽しめる「駅ナカ」が、さらに多彩になってきた。鉄道各社が力を入れ始め、危機感を募らせた先行組のJR東日本グループは、品ぞろえの高級化に着手。鉄道事業の伸び悩みを補おうと、テコ入れを急いでいる。

 魚沼産コシヒカリを使ったおにぎり店、ガーゼで包装して水分を調整するこだわりのケーキ店――。JR西荻窪駅(東京都杉並区)の改札を出てすぐの駅構内にある専門店街「ディラ西荻窪」には、「デパ地下」のように様々な商品が並ぶ。約2億円を投じた約5カ月がかりの改装を終え、5月下旬に再オープンした。店舗数は7店増えて計11店。このうち5店は駅ナカ初出店だ。通路も広げて開放感を演出している。

 おにぎりの多くは1個200円前後。パンやケーキもコンビニエンスストア、スーパーよりやや高い。1本60万円超の高級品を置くワイン店もある。専門店街を開発したJR東日本の子会社は「高級感のある商品でほかの店と差別化し、客層を広げたい」。

 別の子会社は3月下旬、東京駅(東京都千代田区)構内に小型書店を併設したカフェを開いた。有名パティシエがつくった高級チョコレートも4個入り1200円(税込み)から売っている。駅の自動販売機を管理する子会社は、通常品より10〜20円ほど高い国産果物のペットボトル入りジュースを扱い始めた。JR東日本本体も、4月に買収した老舗(しにせ)高級スーパー「紀ノ国屋」の駅構内や駅ビルへの出店を検討中だ。

 JR東日本の駅ナカビジネスといえば、小型売店「キオスク」と立ち食いそばが二本柱だった。だが、2005年にさいたま市の大宮駅構内に大型小売店「エキュート」を開業して以来、イメージが変わり出した。総菜やデザートに力を入れ、若い女性だけでなく、デパ地下に行きにくいという男性客も集めている。

 ファッションビルの「ルミネ」、コンビニエンスストアの「ニューデイズ」なども軌道に乗り、JR東日本の生活サービス事業関連の年間売上高は06年度に8千億円を突破。大手百貨店の高島屋(09年度は8777億円)に迫る規模になった。

 だが、JRの成功をみて、他の鉄道会社も駅ナカの強化に乗り出している。地下鉄の東京メトロは昨年3月、池袋駅(東京都豊島区)に衣料品や飲食など約40店が入る商業施設「エチカ」をオープン。1カ所目の表参道駅(東京都港区)が好調だったため、2カ所目の開業に踏み切ったのだ。東京都営地下鉄には、農産物の直売所を備える駅もある。ほかの首都圏の私鉄各社も、駅ナカに大手コンビニを次々と誘致している。

 駅前の百貨店や家電量販店との顧客の奪い合いも厳しく、JR東日本の幹部は「毎日通る人が多い駅だけに、手をかえ品をかえないと飽きられる」とみている。

■商店街との共生課題

 JR東日本が駅ナカに力を入れるのは、本業の運輸業が頭打ちの傾向にあるからだ。少子高齢化で通勤・通学人口の伸びは期待できず、高速道路料金の値下げも逆風となっている。そのため、運輸以外の生活サービス事業関連の売上高をさらに伸ばす方針で、売上高全体に占める割合(現在3割)を17年度に4割まで引き上げる目標を掲げる。

 駅構内という限られた広さの売り場でも、利幅の大きい高級品を拡充すれば、もうけは増やせる。ただ、駅ナカへの注力は、地元のスーパーや商店街からの反発を招きかねない側面もある。駅という圧倒的に有利な立地は、JRが国鉄だったころ、公共施設として公費によって整備されたものが多いからだ。

 JR東日本は「地元商店街や行政とも協議し、街全体がうるおう仕組みにする」と説明している。(内藤尚志、真海喬生)

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